債務整理をするにあたって、貸金業者がどのような対応をしてくるのか気になる方も多いのでしょうか。
その中でもアコムは、CMなどでの知名度も抜群で、三菱UFJフィナンシャル・グループに属しており信頼度も高く、借り入れ・契約をしている方が多い貸金業者です。
そこで、このページでは、アコムで作った借金の債務整理が可能かどうかを検討します。
目次
アコムの概要
アコムがどのような貸金業者なのか確認しましょう。
社名 | アコム株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル |
事業内容 | 消費者金融事業 信用保証事業 |
グループ | 三菱UFJフィナンシャル・グループ |
アコムは昭和11年に神戸で丸糸呉服店として創業、戦後の昭和23年に質屋としての営業を始めたのが現在の貸金業に至るきっかけです。
1960年代にサラリーマン金融を始め、「むじんくん」で名を知られる現在ではスタンダードな無人契約機を設置するなど、順調に業績を伸ばし、平成8年には東証一部に上場。
マスターカードのプリンシパルメンバーとしてクレジット事業に参入するほか、株式会社三菱UFJ銀行をはじめとした銀行などの信用保障事業を行っています。
アコムと債務整理は可能
アコムからお金を借りている場合、あるいはアコムを含む複数の会社から借り入れをしている場合、債務整理は可能です。
まず、自己破産・個人再生については、法律の要件を満たし裁判所での手続きを行えば、借金を免責(自己破産)・減額の上分割返済(個人再生)となります。
手続きの中で債権者として異議を申し立てることは可能なのですが、アコムはこのようなことを行いません。
また、債権者と話し合いをすることで行う任意整理についても、アコムは任意整理には基本的に協力的なので、任意整理での標準的な対応(元金の36回~60回での分割返済)に応じてもらえます。
アコムからの借金を債務整理できる場合、現状はどう変わるのか
アコムやアコムを含む複数の借金がある場合、債務整理をするとどのように変わるのでしょうか。
任意整理をすれば利息・遅延損害金を基本的には支払う必要はない
アコムにかぎらず貸金業者からお金を借りると、利息の支払いをする必要があり、返済が滞ると遅延損害金の支払いをする必要があります。
任意整理をすると、利息・遅延損害金の支払いをする必要がなく、基本的には元金を長期の分割返済にすることが可能です。
任意整理のメリット・デメリットや手続き方法について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
任意整理とは?4個のデメリットと12個のメリットをわかりやすく解説自己破産をすればアコムからのものを含めた借金が免責される
自己破産をすれば債務が免責されます。そのため、アコムからの借り入れも免責されることになります。
自己破産のメリット・デメリットや手続き方法について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【2024年版】自己破産とは?4つのメリットと9つのデメリットをわかりやすく解説!個人再生をすればアコムからの借り入れも減額して分割返済となる
個人再生をすると、債務が減額され、分割返済することになります。
アコムからの借り入れについても、民事再生法で定められた額に応じて減額され、減額された分を分割して支払うことになります。
個人再生のメリット・デメリットや手続き方法について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
個人再生とは?他の債務整理との違いや手続き方法を徹底解説アコムが任意整理に応じないケース
アコムが次のような場合には任意整理に応じないので注意しましょう。
- 60回を超えるような任意整理
- 契約期間があまりにも短い(返済回数が少ない)場合
- 訴訟を行って判決をもらった後の元金のみの分割返済
- あまりにも遅延損害金が発生している場合の元金のみの分割返済
60回を超えるような任意整理
まず、アコムに限ったことではないのですが、60回の分割を超えるような任意整理案を提出しても、アコムは応じないでしょう。
確かに、分割回数が多ければ多いほど、毎月の返済額を減らすことが可能です。
しかし、アコムから言わせると、長期間にわたってきちんと支払いがあるかどうかを管理する必要があります。そのため、上限としては60回分割程度となります。
60回分割で返済できない場合には任意整理は諦め、自己破産・個人再生などの法的手続きを目指します。
契約期間があまりにも短い(返済回数が少ない)場合
契約期間があまりにも短い(返済回数が少ない)場合にも、任意整理ができないことがあります。
アコムをはじめとする貸金業者は、返済の際の利息で利益をあげており、契約期間が短く返済回数がすくない場合、その契約での利益が非常に少ないといえます。
また、借り入れをしてすぐに返済ができないような場合、長期の分割の契約をしてもきちんと返済してもらえることが期待できません。
そのため、自己破産をしてもらって貸倒償却という会計上の処理をしたほうが管理が楽である場合があります。
36回~60回の分割返済を提案しても、長期の分割を断られ、より短い期間での返済を逆に提案されます。
返済期間が1年未満である場合にこのような対応になります。短い期間での提案の支払いが難しい場合には、自己破産・個人再生を利用します。
訴訟を行って判決をもらった後の元金のみの分割返済
アコムへの返済が長期間滞ると訴訟を起こすことがあります。すでに判決があるような場合、強制執行をすることができるので、任意整理に応じる必要はありません。
そのため、任意整理の標準的な処理である元金での36回~60回分割返済を申し出ても応じてもらえず、遅延損害金を付加した金額・短い分割回数を主張される可能性があります。
遅延損害金を少なくして・より長い回数での返済を提案してもらい、返済できない場合には自己破産・個人再生を利用します。
あまりにも高額遅延損害金が発生している場合の元金のみの分割返済
アコムが訴訟を起こしていなくても、長期間返済できていない場合、かなりの金額の遅延損害金がついていることがあります。
この場合には、元金での分割返済を提案しても応じてもらえず、遅延損害金を付加した金額でないと和解ができないことがあります。
この場合、遅延損害金をつけることには合意しつつも、全額ではなく一部のみにディスカウントしてもらうなど交渉します。
返済ができない場合には、自己破産・個人再生を利用するのは前述の通りです。
アコムと債務整理をする際の注意点
アコムからの借り入れについて債務整理をする場合の注意点については、次のようなものがあります。
- 債務整理後にアコムからの借り入れやアコムが保証会社となる契約ができない
- アコムが保証会社になっている銀行の借り入れがある場合、口座が凍結される可能性がある
- ACマスターカードが使えなくなる
債務整理後にアコムからの借り入れやアコムが保証会社となる契約ができない
アコムと債務整理をする場合に、アコムから再度借り入れをしたり、アコムが保証会社となっているサービスから借り入れができません。
例えば、アコムからの借り入れについて自己破産で免責された場合に、免責によって借金がなくなった後にアコムから借り入れをしようとした場合でも、アコムは契約に応じません。
これは、債務整理でデメリットとされる、信用情報への登録が原因で借り入れができなくなるいわゆる「ブラックリスト」とは関係がなく発生するもので、「社内ブラック」と呼ばれています。
アコムから直接借り入れする場合と同様に、アコムが銀行などの保証会社となっている場合にも、保証人としての契約を行わないため、借り入れを受けられないことがあります(三菱東京UFJ銀行やアコムが保証会社となっている地方の銀行のカードローン)。
アコムが保証会社となっているかどうかは、借り入れを検討している会社の約款を確認できます。
アコムが保証会社になっている銀行の借り入れがある場合、口座が凍結される可能性がある
アコムが保証会社になっている銀行の借り入れがある場合に、その口座が凍結されることがあるので注意しましょう。
たとえば、東京三菱UFJ銀行からバンクイックの借り入れをしていて、さらにアコムからの借り入れをしていて、東京三菱UFJ銀行の口座を利用しているとします。
ここでアコムからの借り入れを任意整理すると、アコムが保証会社となっている東京三菱UFJ銀行のバンクイックの契約条項に抵触するため、東京三菱UFJ銀行の口座を凍結して、預金とバンクイックの残額を相殺することになります。
このような提携関係については、債務整理に詳しい弁護士・司法書士でなければ把握していません。
アコムのような広範囲に影響する可能性がある借り入れ先がある場合には、債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。
ACマスターカードが使えなくなる
アコムは消費者金融のほうかに、ACマスターカードという名前で、マスターカードの発行をしています。
債務整理をする場合には、アコムのすべての債務について取り扱うので、消費者金融としてのアコムからの借り入れだけを債務整理して、ACマスターカードは別で使い続けるということができません。
そのため、アコムの債務整理は、マスターカードの利用残高とあわせて行う必要があり、貴金属や家電製品を購入したような場合には、引き上げる可能性もあるので注意が必要です。
出典:AC A-GRANT Mastercard会員規約(II)23条4項より
アコムからの借金の債務整理をする場合の流れ
アコムからの借金の債務整理をする場合の流れは次の通りです。
手順1:弁護士・司法書士に相談・依頼する
債務整理は弁護士・司法書士に相談をして、状況を把握した上で適切な手続きを選択します。そのためまずは相談を行います。
適切な手続きを把握する必要があるので、アコムを含めたすべての債務についての状況を申告することになります。
相談は複数の弁護士・司法書士に行うことが可能で、依頼したい弁護士・司法書士が見つかれば契約を行います。
手順2:受任通知の発送・債務の調査
任意整理・自己破産・個人再生どの手続でも、まずは受任通知を発送し、債務の調査を行います。
受任通知とは、弁護士・司法書士が債務整理を引き受けたことを通知するもので、ここに過去の取引履歴を送付するように依頼する文言が記載されています。
これに従って、アコムを含めた貸金業者が取引履歴を送付するので、その取引履歴をもとに債務がいくらになるのかを確認します。
特に2010年6月18日より前に借り入れがあった場合には、グレーゾーン金利で借り入れていた可能性があり、債務が減額する・過払い金として払いすぎた利息を返してもらうことができる場合があります。
手順3:手続きの実行
債務の調査が終わると、依頼している手続きを実行に移します。
自己破産や個人再生の場合には、申立書に添付書類を提出して裁判所に申し立てを行い、あとは裁判所での手続きを行います。
任意整理の場合には依頼をした弁護士・司法書士が債権者と交渉します。
手順4:アコムに返済をする(任意整理・個人再生)
任意整理・個人再生は手続き後に債権者に返済をすることになります。返済が終われば任意整理・個人再生は終了となります。
【全国対応】アコムの債務整理について無料相談できるおすすめ法律事務所
アコムの債務整理について、無料で相談できるおすすめの法律事務所をご紹介します。
すべて全国から申し込みOKです。
サンク総合法律事務所
名称 | 弁護士法人サンク法律事務所 (旧:樋口総合法律事務所) |
---|---|
所属 | 第二東京弁護士会 |
所在地 | 東京都中央区八丁堀4-2-2 UUR京橋イーストビル2階 |
電話番号 | 0120-281-739 |
代表弁護士 | 樋口 卓也 |
ホームページ | https://thank-law.jp/ |
サンク総合法律事務所は、第二東京弁護士会所属の弁護士法人で、複数の弁護士で個人法務を中心とした案件に対応しています。
サンク総合法律事務所は、代表である樋口卓也弁護士の個人事務所である、樋口総合法律事務所を前身とするもので、たくさんの依頼に対応できるように法人化したものです。
債務整理に関する特設サイトを作っており、借金解決に関する情報を発信しています。債務整理に関する弁護士費用は下記のようになっています。
自己破産・個人再生については公式HPには明記がないので、相談事に聞いて、他の候補の事務所と比較してみると良いでしょう。
内容 | 費用 |
---|---|
相談料 | 無料(フリーダイヤル) |
任意整理 |
|
過払い金請求 |
|
自己破産 | 公式HPには明記なし |
個人再生 | 公式HPには明記なし |
弁護士法人・響
名称 | 弁護士法人 響(ひびき) |
---|---|
所在地 |
|
電話番号 |
|
代表弁護士 | 西川研一 |
ホームページ | https://hibiki-law.or.jp/ |
グループ |
|
弁護士法人・響は、全国6ヶ所に拠点を有し、多数の弁護士を抱えるとともに、税理士法人・行政書士法人・社会保険労務士法人・調査会社(探偵)とグループを組んで活動をしている弁護士法人です。
テレビ・ドラマの法律監修など、メディアでも活躍しています。債務整理についても、債務整理特設サイトを開設しており、蓄積されたノウハウを積極的に発信しています。
弁護士費用は下記の通りです。
内容 | 費用(税込) |
---|---|
法律相談 | 0円 |
任意整理 |
|
個人再生 |
|
自己破産 |
|
完済過払い |
|
ひばり法律事務所
名称 | 弁護士法人ひばり法律事務所 |
---|---|
所在地 | 東京都墨田区江東橋4丁目22番4号6階 |
代表弁護士 | 名村泰三 |
電話番号 | 03-5638-7288 |
FAX番号 | 03-5638-7289 |
業務時間 | 平日午前10時~午後7時 |
公式ホームページ | https://hibari-law.net/ |
弁護士法人ひばり法律事務所は、東京に拠点を置く弁護士法人です。
公式ホームページでは、債務整理に関する情報発信を中心にしていることから、債務整理に強みのある事務所として知られています。
もともとは、代表弁護士である名村泰三弁護士の個人事務所である名村法律事務所が前身なのですが、業務拡大のために弁護士法人となった経緯があります。
費用については下記の通りです。
内容 | 費用(税込) |
---|---|
相談料 | 無料 |
任意整理 |
|
自己破産 |
|
個人再生 |
|
過払い請求 |
|
過払い金請求を検討しているときには、成功報酬のみで、当初の依頼には費用がかからないので、積極的に検討してみてください。
【2024年版】ひばり法律事務所の口コミや評判を解説!任意整理の費用も分かるまとめ
このページでは、アコムから借り入れをしている場合に、債務整理ができるかについてお伝えしました。
消費者金融最大手であるアコムですが、債務整理は可能であるものの、保証事業をしていることから債務整理によって影響する可能性もあります。
アコムから借りている場合に債務整理をする場合には、債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談・依頼をするようにしましょう。