借金問題に直面しており、自己破産を考えているが生活保護を受けている・・そんな場合はどうすればいいのでしょうか。
この記事では、生活保護受給者が自己破産を行うための手続きや可能性、また必要な費用の免除、さらに自己破産と生活保護を受けることのデメリットについて詳しく解説します。
負債問題は厳しく、ストレスフルな状況に陥りますが、適切な情報により解決することが可能です。ぜひ、参考にして下さい。
目次
生活保護を受給中に自己破産はできるのか
生活保護を受けている場合でも、負債の返済が困難な場合、自己破産の手続きを行うことは可能です。しかし、その際には何点か注意すべき特殊な事情があります。
追加の必要書類を提出すれば自己破産できる
生活保護を受けている人が自己破産をする際には、通常の自己破産手続きに加えて、追加の書類の提出が必要になります。
特に、生活保護の受給証明書や、その他の収入情報を示す書類が重要になるでしょう。生活保護の受給証明書には、自分だけでなく家族の氏名や続柄も記載されます。
これは、負債の状況だけでなく、現在の生活状況を裁判所が評価し、適切な決定を下すために必要な情報だからです。
また、この過程で弁護士や司法書士との相談を行うことで、適切な手続きが進行する可能性が高まります。
任意整理や個人再生を選ぶことはできない
生活保護受給中の自己破産には、任意整理や個人再生といった選択肢がありません。
これらの手続きは、一定の収入があることが前提となっており、生活保護受給者が条件を満たすのは難しいからです。
このため、生活保護受給者が債務整理を考える場合、大抵は自己破産が選ばれます。
生活保護を受けても債権者からの取り立ては止まらない
生活保護を受けている状態でも、債権者からの取り立てが自動的に止まるわけではありません。督促を無視すると、債権者から訴えられる可能性もあります。
しかし、自己破産手続きを開始すれば、その手続きが進行している間は債権者からの取り立ては一時的に停止します。
そのため、取り立てに悩んでいる場合、自己破産手続きを早めに開始することで精神的な安心感を得られます。
生活保護受給者は自己破産にかかる費用が免除される
生活保護を受けている人が自己破産を行う際、手続きに必要な費用についての支援があることをご存知でしょうか。
特に、生活保護受給者の場合、これらの費用を免除してもらうことが可能な制度が存在します。
自己破産では予納金や弁護士費用が必要
自己破産をするためには、裁判所への申立て費用(予納金)や、手続きをサポートする弁護士や司法書士の費用が必要となります。
これらの費用は数十万円程度(弁護士費用だけで25万円から50万円ほど)になり、生活保護を受けている人にとっては大きな負担となる可能性があります。
しかし、無理に費用を捻出する必要はありません。費用を軽減する方法がいくつか存在します。
法テラスの立て替え制度(民事法律扶助制度)を利用できる
自己破産手続きの費用を免除する制度の一つが、法テラスの立て替え制度(民事法律扶助制度)です。
この制度は、経済的な理由で自己破産の手続き費用を捻出できない人を支援するためのものです。具体的には、法テラスが予納金や弁護士費用を立て替えてくれます。
生活保護を受けている人は、自己破産にかかる費用を全額免除してもらえる可能性が高いです。ただし、申請には一定の手続きが必要となります。
法テラスや専門家への相談を通じて、適切な手続きを行うことが求められます。
手続きが認められれば、裁判所への申立てから弁護士費用まで、自己破産にかかる費用を法テラスが立て替え、生活保護受給者は負担なく自己破産手続きを進めることができます。
自己破産の申し立てと生活保護の受給はどっちが先?
自己破産を検討している方の中には、同時に生活保護の受給も考えている方もいるでしょう。
しかし、これらの申請はどちらから手続きすればよいのか、順序について疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
どちらが先でも構わない
自己破産の申し立てと生活保護の受給は、基本的にどちらが先でも問題ありません。どちらを先に進めるかは、個々の状況や生活環境、債務の状態などによります。
自己破産の申し立てを先に行うと、債務の負担から解放され、精神的な安定を得られるかもしれません。一方、生活保護の申請を先に進めると、生活基盤を確保することができます。
どちらを先に進めるべきかは、専門家との相談により決定すると良いでしょう。
自治体の担当者から先に借金問題の解決を促される場合がある
一方で、生活保護の申請を行う際に、自治体の担当者から先に借金問題を解決するよう促されることがあります。
これは、生活保護の審査において、債務問題が生活保護の必要性を高めていると判断された場合、その原因を解消することが求められるからです。
その際には、借金問題を解決するための手続き、例えば自己破産などを先に行うことが推奨されます。
生活保護費を返済に充てるのはNG
生活保護を受けている間に借金の返済を行うことは禁じられています。生活保護は生活を支えるためのものであり、これを借金返済に充てることは目的外使用となります。
そのため、自己破産を考えている場合でも、生活保護を受けている間は借金返済には手を出すべきではありません。
債権者から返済を求められた場合でも、生活保護を受けていることを明確に伝えましょう。このことを理解した上で、自己破産の手続きを進めることが重要です。
生活保護受給の要件とは
生活保護を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。具体的には、まず経済的な困難があり、自力で生活を維持することが難しいと認定されることが求められます。
また、収入が一定の基準以下であり、資産も一定の範囲内であることなどが要件となります。
さらに、生活保護を受けるためには、労働能力がある場合は就労を試みること、などの義務もあります。
必要な要件や義務を満たしているかどうかを自治体が審査し、生活保護が認定されるかどうかが決まります。
専門家から一言
自己破産する人が生活保護を受給するにあたってのデメリット
自己破産を考えている人が生活保護を受ける場合、様々な利点がありますが、一方でデメリットも存在します。以下に、その主なデメリットについて説明します。
銀行や消費者金融から新たな借り入れはできない
自己破産を行うと、基本的には借金が免除され、新たな人生をスタートすることが可能になります。
しかし、その一方で、自己破産者は信用情報機関に情報が登録され、その記録が一定期間残るため、銀行や消費者金融からの新たな借り入れが困難になります。
生活保護を受けていると、生活費や医療費など必要なものはカバーされますが、急な出費や大きな買い物などには対応しきれない場合があります。
そのため、新たな借入を考えている方は、自己破産と生活保護受給の順序やタイミングについて、専門家としっかり相談することが重要です。
不正受給の返還金を払えないことによる自己破産はできない
生活保護は福祉制度であり、適正な手続きと正確な情報に基づいて受けるものです。もし不正に受給した場合、受給した金額の返還が求められます。
この不正受給の返還金を払えないからと言って自己破産を申し立てることはできません。
不正受給は法的に罰せられる行為であり、その結果生じた負債を自己破産によって免除することは認められていません。
また、不正受給は将来的に生活保護の受給を阻む可能性もありますので、十分に注意が必要です。
うつ病の人は自己破産と生活保護を受けられるのか?
うつ病に罹患している方の中には、重い金銭的な問題に直面しており、自己破産や生活保護を考えている方もいるでしょう。
しかし、うつ病が自己破産や生活保護の申請に影響を及ぼすかどうか疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。このセクションでは、そういった疑問に答えていきます。
うつ病を理由に自己破産することは可能
まず、うつ病を理由に自己破産を申請することは可能です。うつ病は重大な健康問題であり、仕事や日常生活を送ることが難しくなり、経済的な困難に陥ることがあります。
このような状況下で、支払い不能や支払い困難な状態になった場合、自己破産の適用を受けることができます。
自己破産は債務を免除し、新たな生活を始めるための手段であり、うつ病による経済的な困難からの脱出が可能です。
ただし、自己破産を申請するには法律的な手続きが必要であり、専門家の助けを借りることが望ましいです。
自己破産後の生活で困ったときに生活保護を視野に入れるべき
自己破産を行うと、多くの債務が免除されますが、それは一時的な解決策にすぎません。自己破産後の生活で困った場合、生活保護を視野に入れることは有意義な選択となります。
生活保護は、生活困窮者が最低限度の生活を送ることができるように国や地方公共団体から支給される制度です。
うつ病の症状により就労が難しい場合、生活保護は生活の基盤を維持するための一つの選択となり得ます。
生活保護を受けるには一定の基準を満たす必要があります。まず、日常生活に困窮していること、そして自己や家族の労働等によって生活を維持することが困難であることが求められます。
うつ病の症状により就労が難しくなっている場合、これらの基準を満たす可能性があります。なお、生活保護を受けるにあたっては、申請手続きを正しく行う必要があります。
自治体の社会福祉課などに相談をすると良いでしょう。
専門家から一言
【体験談】自己破産に成功した人の口コミ
2024年12月、自己破産に成功した人の最新の口コミ・体験談を集めました。これから債務整理をしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。58歳 男性 自営業
34歳 女性 派遣社員
42歳 男性 不動産業者
29歳 男性 プログラマー
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④弁護士法人・響
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弁護士法人・響は、多彩な専門性を持つ弁護士が揃い、債務整理や過払い金に関する包括的な解決策を提供する法律事務所です。
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⑤司法書士法人はたの法務事務所
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⑥アヴァンス法務事務所
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アヴァンス法務事務所は、多くの実績と経験を持つ弁護士が所属する法律事務所です。
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⑦司法書士法人みつ葉グループ
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まとめ
自己破産は、借金問題に直面している生活保護受給者にとって一つの解決策となり得ます。
生活保護を受けながら自己破産を行うための手続きは複雑であるかもしれませんが、適切な書類の提出や法テラスの利用などにより、実現可能です。
また、自己破産に必要な費用も、一定の条件下では免除される可能性があります。
しかし、自己破産と生活保護を受けることにはデメリットも存在します。新たな借入が困難になること、不正受給の返還金を払えないことによる自己破産が認められないことなど、注意すべきポイントが存在します。
また、精神的な健康問題を抱えている場合でも、適切な手続きを踏むことで自己破産と生活保護の受給が可能であることを覚えておきましょう。
借金問題を解決し、生活を再建するための第一歩として、今回の記事が役立つことを願っています。