「借金の返済が苦しい…」
債務整理を検討している人の中で、特に不動産を持っている場合には、個人再生の手続きがどのようなものか気になる方も多いのではないでしょうか?
インターネット上の情報や、書籍などでは、住宅をもっている人は個人再生で住宅を守れる可能性があると説明されます。
また、自己破産で職業制限がされると困る人も個人再生が向いていると言われることがあります。このページでは、個人再生についてメリット・デメリットを中心に詳しくお伝えします。
目次
個人再生とは
個人再生とは債務整理の一つの手続きで、民事再生法に従って借金を最大1/10に減額してもらい、その金額を原則3年の分割で支払っていくものです。
根拠となる民事再生法には、第十三章で小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則という個人が利用する項目が置かれており、この項目に基いて手続きを行うのが個人再生です。
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生という2つの手続きがあります。
サラリーマンで業績によって給与に大きな変動(およそ20%)がなければ給与所得者再生で、自営業者や業績によって大きく給与に変動がある場合には小規模再生手続きを行います。
住宅ローンで購入した住宅は、手続き後に支払っていくことで維持することが可能です。この個人再生の手続きを、住宅資金特別条項といいます。
出典:民事再生法(法令検索)
個人再生と債務整理の関係
上述したように、個人再生は債務整理の一つの種類であるという関係にあります。
債務整理とは、借金返済ができなくなった場合に法律を利用して借金返済を軽減・免除してもらうものです。個人再生の他に後述する手段(任意整理・自己破産)も含まれます。
ですので、債務整理では個人再生を利用しないで、他の任意整理・自己破産などを利用する場合があります。
個人再生と任意整理の関係
任意整理は、債権者と交渉して借金を減額してもらう手続きのことをいい、個人再生とは債務整理の手段であるという関係にあります。
債務整理の中でも、任意整理は債権者と交渉して行うという特徴があり、裁判所に申し立てて行う自己破産・個人再生とは異なります。
また、個別に債権者と交渉する手続きなので、連帯保証人がある債務を外すことができる柔軟な債務整理方法です。
そのかわり、元金は分割して返済する必要があるので、個人再生・任意整理よりは借金が減らないデメリットもあります。
住宅ローンを外して債務整理をすることも可能です。住宅ローンがある場合でも、住宅を失わずに債務整理ができる点で個人再生と共通しています。
任意整理は自己破産をするわけではないので職業制限をされない点でも個人再生と共通です。
個人再生と自己破産の関係
自己破産は、破産法に従って借金を免責してもらう債務整理の一つの方法で、個人再生とは債務整理の手段であるという関係にあります。
法律の規定に従った手続きが必要な点・裁判所への申し立てを行う点で個人再生と自己破産は共通しています。
ただし、自己破産は借金を免責してもらえるので、減額してもらっても支払いが必要な個人再生とは異なります。
また、住宅を所有している場合には、自己破産ではそのまま維持することができないので、個人再生とは異なるといえるでしょう。
さらに、自己破産では職業制限があるので、この点でも個人再生とは異なります。
個人再生を利用するための条件
個人再生の手続きを利用するための条件には、次のような項目が挙げられます。
利用条件
- 破産手続開始の原因となる事実が生じるおそれ、または、債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき(民事再生法21条1項)。
- 将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み(民事再生法221条1項)
- 再生債権の額が5,000万円以下であること(民事再生法221条1項)
- 小規模個人再生の場合には半数以上(人数・債権額)の反対がないこと(民事再生法237条)
- 給与所得者等再生に場合には、破産・給与所得者等再生をしてから7年経過していること(民事再生法239条5項)
内容が難解なのですが、大雑把に要約すると以下を満たしていればよいと考えて大丈夫です。
要点まとめ
- 契約通りの支払いをすることができなくなっている
- 減額後の債務を分割して支払うことができる
- 債務が5,000万円以下である
契約通りの支払いをできなくなっているかの判断方法として、実務では任意整理の支払いの基準となる元金を36回分割で払うことができなくなっているかで判断します。
任意整理ができない状況であれば、返済ができなくなっていると考えて差し支えないためです。
個人再生が向いている人
個人再生が向いている人はズバリ、以下の方です。
- 住宅ローンで購入した自宅を守りたい
- 破産をしては職業制限で職を追われてしまう
個人再生ができるときには自己破産もできる状態が通常です。個人再生では、債務が減額されるものの返済義務があります。
返済するくらいであれば自己破産で免責してもらったほうが、経済的にやり直すのは早いです。
ただし、住宅ローンで購入した自宅を維持したい場合や職業制限がかかることを避けたい場合は、自己破産は向きません。
そのため、自宅を維持したいときや自己破産で職業制限がかけられるときは個人再生を利用することがおすすめです。
個人再生のメリット5つ
個人再生には次のようなメリットがあります。
- 借金が減額される
- 長期の分割払いが可能
- 職業制限などがない
- 住宅ローンで購入した住宅を維持できる
- 自己破産はしなくてよい
借金が最大10分の1に減額される
個人再生は、債務整理をせずにそのまま支払い続けたり任意整理をする場合と比べて、借金の元金が減額されるメリットが挙げられます。
最大で1/10まで減額されるので、そのままでは返済できない場合でも、返済額が減って楽になります。
長期の分割払いが可能
個人再生では長期の分割払いが可能です。個人再生は上述した通り借金の元金が減額されて、36回の分割払いにしてもらえます。
減額した分を長期の分割払いにしてもらえるので、返済の負担は著しく低いといえます。
職業制限がかからない
自己破産と比較してのメリットですが、自己破産には職業制限・住居移転制限・手続き期間中は郵送物が破産管財人に転送されるなど、様々な制限があります。
個人再生ではこのような制限がないという点がメリットであるといえます。
住宅ローンで購入した住宅を維持できる
こちらも自己破産と比較してのメリットなのですが、自己破産の場合には住宅ローンで購入した自宅がある場合には、自宅を手放すことになります。
個人再生は、住宅資金特別条項を利用すれば、住宅ローンで購入した自宅を手放す必要がありません。
自己破産をしなくてよい
人によっては「自己破産だけはしたくない」というイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
個人再生は自己破産ではないので、自己破産をしなくて済むメリットがあります。
自己破産の方がメリットが大きいケースもある
ただし、自己破産をしていることは第三者からわかることはほぼない上に、自己破産をしたほうが返済しなくて良いので楽になれます。
多くのケースで将来住宅ローンを組みたいので自己破産はしたくない、という方もいるのですが、債務整理をしたのが自己破産なのか個人再生なのかで、将来住宅ローンを組む際には差はありません。
そして、自己破産をしたほうが、返済がなくなるので、その分住宅ローンを組むにあたって重要となる頭金の貯蓄がしやすいので、自己破産のほうが有利となる可能性もあります。
個人再生のデメリット6つ
一方で個人再生には次のようなデメリットもあります。
- ブラックリストに登録される
- 官報に掲載される
- 一定の金額は支払う必要がある
- 保証人に請求される
- 手続きが複雑である
- 弁護士・司法書士費用がかかる
ブラックリストに登録される
いわゆる「ブラックリスト」は個人再生のみならず債務整理すべてに共通するデメリットです。
ブラックリストとは、個人再生を行ったことによって、信用情報に事故情報として記録されることです。これによって、
- 貸金業者からの新たな借入
- クレジットカードを新しく作ること
- クレジットカードの更新
- 携帯電話・スマートフォンを分割で購入すること
- 保証人になること
などができなくなります。
なお、「リスト」という言葉が含まれていることから、「ブラックリストに載る」と表現されることが多いのですが、とくにリスト・データベースとして信用情報機関が管理しているわけではありません。
上記のようなことができないことと、ブラックリストに載りたくない、という観点から債務整理を嫌がる方は多いです。
しかし、いずれ返済できなくなって支払いが61日以上延滞すると、同様に信用情報への登録がされてブラックリストとなります。
不便にはなるが普通に生活はできる
ブラックリストに入っても事前に入金するデビットカードなど利用はできますし、携帯電話・スマートフォンの新規契約・一括での購入は可能です。
ほかにも分割で買えないもの・利用できないサービスについても、お金を貯めて購入することは可能です。
便利ではなくなりますが、生活ができなくなるわけではないので、あまり怖がる必要は無いといえます。
官報に掲載される
個人再生は自己破産と同様に官報に掲載されます。
官報とは国が発行している紙面で、法律の公布・株式会社などの決算公告など、法律などの規定で公にすべきものとしているものを掲載する役割を持ちます。
官報は、紙の媒体なら書店で購入できます。また、インターネットで閲覧することもでき、有料のサービスを申し込むと過去の情報も閲覧することが可能です。
官報を閲覧される心配はほとんどない
誰からも見られるという点でプライバシーを心配する人は大きなデメリットであるように感じるでしょう。しかし実際は、官報を購入したり閲覧したりする人は滅多にいません。
金融機関等で官報に関する情報を入力しても、このことを公にすれば名誉毀損になります。官報から外部に情報が漏れることを心配する必要はないと言えるでしょう。
一定の金額は支払う必要がある
自己破産と比べてのデメリットですが、借金は大幅に減額されるとはいえ、一定の金額は支払う必要があるのが個人再生のデメリットです。
返済の負担があるので、再度住宅ローンを組みたい場合など、頭金の貯金が遅れる等の不利が発生するケースがあります。
保証人に請求される
任意整理と比べてのデメリットになるのが、保証人に請求されることです。奨学金・商工ローン・中小の貸金業者からの借り入れをするときには、保証人(連帯保証人)をつけます。
個人再生をする場合には、これらの債権者も対象になるため、保証人に請求されることになります。任意整理であれば、保証人がついている債務は外すことが可能です。
手続きが複雑である
任意整理と比べてのデメリットとして、手続きが複雑であるというデメリットがあります。
任意整理は債権者と交渉をするだけなのですが、個人再生では申立書を作る・添付書類を揃える・再生計画案を作成する、裁判所・個人再生委員の事務所などの負担があります。
弁護士・司法書士費用がかかる
債務整理全般に言えることですが、弁護士・司法書士に対する費用がかかります。
個人再生については、申し立てや再生計画の作成など、やることが債務整理の中でも一番多いので、それだけ弁護士費用・司法書士費用がかかります。
成功報酬まで合わせると60万円程度かかる場合もあります。
高くて利用できないのでは?思う方も多いのですが、分割支払いが可能なケースが多いため借金返済が厳しい人でも利用が可能です。
個人再生のデメリットについて詳しくは、以下の記事で解説しています▼
【7STEP】個人再生の流れ
個人再生は次のような流れで進みます。
全体の流れ
- 弁護士・司法書士に相談・依頼する
- 債務の調査を行う
- 個人再生の申し立ての準備をする
- 個人再生の申立てをする
- 個人再生委員との面談
- 再生計画案の提出・認可
- 返済開始~完済する
STEP1:弁護士・司法書士に相談・依頼する
個人再生はまず弁護士・司法書士に相談することからはじめます。
個人再生をするには条件があるので、本当にその条件を満たしているか、他の手続きのほうが適切ではないのか、といったことを確認します。
弁護士・司法書士に個人再生を依頼すると、借金返済をストップすることになりますが、取り立ては貸金業法に基いて停止されることになります。
なお、他の手続きで依頼をして、個人再生に切り替わることもあります。
STEP2:債務の調査を行う
弁護士・司法書士に個人再生を依頼すると、まず債務の調査を行います。債権者に対して取引履歴の提出を依頼して、これに基いて債務の額を正確に算出します。
これは2010年6月18日以前に借り入れをしていて、グレーゾーン金利での返済をしていた場合には、債務が実は減額することになるためです。
借り入れが相当昔からされているケースでは、払いすぎた利息のほうが多く、契約者はこれを返還することを請求できます(いわゆる過払い金請求)。
STEP3:個人再生の申し立ての準備をする
債務の調査が終わると、個人再生の申し立ての準備を行います。個人再生は申立書・添付書類を提出して申立てを行います。
弁護士や司法書士に依頼しておけば、勝手にやってくれるわけではなく、本人に関する情報を集めて申立書に記載をします。
また、添付書類も、本人でないと取得できないものについては、本人から情報を収集します。
STEP4:個人再生の申立てをする
申立書を作成し、添付書類を提出すると、地方裁判所に申立てを行います。
東京地方裁判所に申立てをする場合などでは、履行可能性テストという毎月の返済を行うトレーニングが始まるケースもあります。
STEP5:個人再生委員との面談
個人再生の申立てがされると、裁判所から個人再生委員が選任されます。
個人再生委員とは、本来裁判所にかわって手続きを主導する人で、申立てをする地方裁判所に登録をしている弁護士が就任します。
個人再生委員と面談を行い、申立書の内容や、その他疑問点についての確認を行います。なお、司法書士に依頼したときには、面談には同席できません。
これは、司法書士に与えられた権限は、申立て書類の作成のみだからです。個人再生委員と面談を行い、問題ないと確認がされると、個人再生手続き開始決定が裁判所から下されます。
STEP6:再生計画案の提出・認可
債権者に対する債権の届出・届出された債権についての認否を行った後に、申立人は再生計画案の提出を行い、認可を受けます。
STEP7:返済開始~完済する
再生計画案が認可されると、毎月の返済が開始し、きちんと完済するまで返済を続行します。
個人再生を依頼するのにおすすめの弁護士・司法書士5選
個人再生を依頼するにあたっておすすめの弁護士・司法書士をご紹介します。
- 弁護士法人サンク法律事務所
- 弁護士法人ユア・エース
- 弁護士法人 響
- 弁護士法人東京ロータス法律事務所
- 司法書士法人はたの法務事務所
ご紹介している法律事務所は、すべて全国から申し込み可能です。
弁護士法人サンク法律事務所
名称 | 弁護士法人サンク法律事務所 |
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所在地 | 東京都中央区八丁堀4-2-2UUR京橋イーストビル2階 |
電話番号 | 0120-281-739 |
個人再生の費用 | 相談料:0円 着手金:440,000円 住宅資金特別条項がある場合:+110,000円 |
弁護士法人サンク法律事務所は、東京八丁堀に拠点を有する弁護士法人です。女性を含めた8人の弁護士が在籍しています。
債務整理・個人再生の他にも強みがあり、他にも個人に関する案件全般に取り扱っているので、様々な案件に対応可能です。
フリーダイヤルを設けており、相談料も無料なので、気軽に電話してみましょう。
弁護士法人ユア・エース
名称 | 弁護士法人ユア・エース |
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所在地 | 東京本店 東京都中央区日本橋堀留町2-3-14 堀留THビル10階 福岡支店 福岡県福岡市博多区博多駅前1-15-20 NMF博多駅前ビル2階6号室 |
電話番号 | 0120-951-408 |
個人再生の費用 | 法律相談料:0円 着手金:住宅ローン無 264,000円~/住宅ローン有 429,000円~ 成功報酬:330,000円~ |
弁護士法人ユア・エースは、東京・福岡に拠点がある弁護士法人です。元は弁護士法人天音法律事務所という事務所で、債務整理に非常に定評にある事務所です。
16人もの弁護士が所属しており、債務整理のみならず様々な案件に対応しています。フリーダイヤルには24時間365日対応可能となっているので、気軽に電話をしてみてください。
弁護士法人 響
名称 | 弁護士法人 響 |
所在地 | 新宿オフィス 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー14階虎ノ門オフィス 東京都港区虎ノ門3-19-13 スピリットビル4階立川オフィス 東京都立川市曙町2-16-6 テクノビル4階 大阪オフィス 大阪府大阪市中央区淡路町2-4-3 ISOビル6階 福岡オフィス 福岡県福岡市中央区舞鶴3-1-10 オフィスニューガイア セレス赤坂門NO.19 11階 那覇オフィス 沖縄県那覇市久茂地2-22-10 那覇第一生命ビルディング3階 |
電話番号 | 0120-205-376 |
個人再生の費用 | 相談料:0円 着手金:330,000円~ 成功報酬 住宅なし:220,000円~ 住宅あり:330,000円~ |
弁護士法人響は、東京・大阪をはじめとした6ヶ所の拠点を有する弁護士法人です。
合計34名もの弁護士が所属するほか、グループで税理士法人・社会封建労務士法人・行政書士法人・調査会社などを有しており、ありとあらゆるサポートが可能です。
債務整理にも非常に強みを持っており、大きな規模で業務をしているので、実績が多く、メディアへの出演なども多数行っています。
相談無料で弁護士費用の分割も可能なので、気軽に相談してみましょう。
弁護士法人東京ロータス法律事務所
名称 | 弁護士法人東京ロータス法律事務所(旧岡田法律事務所) |
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所在地 | 東京都台東区東上野1丁目13番2号成田第二ビル2階 |
電話番号 | 0120-316-715 |
個人再生の費用 | 相談:無料 着手金:330,000円 報酬金:330,000円 諸費用:55,000円住宅ローン特則有:110,000円 |
弁護士法人東京ロータス法律事務所は、東京に拠点がある弁護士法人です。弁護士3名が所属しており、ホームページでもわかるように、債務整理に特化しています。
元は岡田法律事務所という事務所が法人になったもので、岡田法律事務所時代から、債務整理の経験は豊富です。
相談は無料で、フリーダイヤルも設けているので、安心して相談してみましょう。
司法書士法人はたの法務事務所
名称 | 司法書士法人はたの法務事務所 |
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所在地 | 東京本店 東京都杉並区荻窪5-16-12 荻窪NKビル5階 大阪支店 大阪府大阪市淀川区西中島4-11-21 新大阪コパービル303 |
電話番号 | 0120-963-164 |
個人再生の費用 | 相談料:無料 報酬385,000円~ |
司法書士法人はたの法務事務所は、東京と大阪に拠点を有する司法書士法人です。認定司法書士が所属していて、債務整理・過払い金請求に強みをもっています。
個人再生について権限が制限されている司法書士なので個人再生の依頼には向かないケースもあります。
しかし、まずは解決方法として個人再生が良いのかを確認してもらうのが良いでしょう。相談は無料なので、気軽に相談してみましょう。
個人再生でよくある質問
個人再生についてよくある質問をまとめました。
住宅ローン・自動車ローンはどうなるのか?
今ある住宅ローンについては、住宅資金特別条項を利用することで維持が可能です。
自動車ローンについては、通常の債権者と同様に扱われますので、自動車に所有権留保という担保がある場合には引き上げられることになります。
個人再生をすることでブラックリストとなるので、住宅ローン・自動車ローンはその間は組むことができません。ブラックリストは7年程度と期限があり、その後に組むことになります。
自分で個人再生はできないのか?
個人再生は弁護士・司法書士に対する費用がかかります。自分で個人再生をすることはできないのでしょうか?
結論としては、自分で個人再生をすることは、法律上は可能ですが、弁護士に依頼したほうが良いです。
まず、個人再生を規定している民事再生法は、弁護士・司法書士に依頼して申立てをすることを前提としていませんので、個人でも申立ては可能です。
しかし、債務の大部分を免除してもらえる個人再生の手続きは、裁判所で厳格に審査されるものなので、申立書の作成・添付書類の収集は非常に複雑です。
そのため、弁護士・司法書士の手を借りるべきです。
また、弁護士・司法書士に依頼をすると、返済を止めた上で、債権者から特則がされなくなります。そのため、落ち着いて申し立てを行うことが可能となります。
家族や会社に内緒にできるか?
家族や会社に内緒で個人再生ができるかはケースによります。
まず、家族や会社からの借り入れがある場合には、家族や会社からの借り入れについても個人再生手続きで返済することになるため、内緒にすることができません。
また、例えば夫婦のように家計が家族と一緒になっている場合には、給与明細の提出など世帯の家計について調査される可能性があり、内緒にするのが難しいでしょう。
そのほか、弁護士・司法書士への報酬の支払いが遅れるなどで申立てが延びてしまったら債権者から訴訟を起こされることがあります。
この場合、自宅に特別送達郵便という裁判所からの書類が送られて家族にバレてしまう可能性があります。
さらに、給与が差し押さえられると、その通知は会社に届くため会社にバレてしまいます。
個人再生の弁護士・司法書士報酬の費用相場は?
個人再生の弁護士・司法書士報酬の相場は、
- 相談料:0円
- 着手金:30万円~50万円
- 成功報酬:20万円~30万円(一部0円のケースあり)
となっています。個人再生などの債務整理をしている事務所の多くは、上述したとおり相談料は無料となっていることがほとんどです。
着手金が少ない事務所でも、成功報酬が多い事務所もあります。また、着手金が多くても、成功報酬は0円というところもあります。
住宅資金特別条項がある個人再生については、加算されることもあります。
注意が必要なのは、一般的には司法書士に依頼したほうが安いのですが、司法書士は裁判所への書類提出しか行なえません。
そのため、弁護士と同じ費用なら司法書士の方が行える事が少ないわけですから、実質的には割高と考える必要があるでしょう。
個人再生に強い事務所の特徴は?
個人再生に強い事務所にはどのような特徴があるのでしょうか。個人再生は債務整理の一つの方法なので、債務整理が強い事務所が個人再生に強いです。
債務整理が強い事務所は、債務者となる人の状況をよく知っているため、相談を無料で行っています。
また、債務整理でも個人再生の実績が豊富な事務所は、平日勤務していることが多い人のために、土日祝・夜間でも相談できる体制を整えています。
このような事務所の中には、過去に弁護士会・司法書士会から懲戒処分を受けていることもあるので、懲戒処分を受けていない事務所を選ぶようにしましょう(懲戒処分の有無はインターネットで検索して閲覧可能です)。
まとめ
このページでは、個人再生について、メリット・デメリットを中心にお伝えしてきました。
個人再生は住宅ローンで購入した住宅を維持したい方・職業制限にかかるため自己破産ができない方を中心に利用されます。
手続きが難しい部分もあるので、まずは専門家に相談してみてください。