多額の借金を抱えて、このまま人生が終わってしまうのではないかと不安になっている方もいるかもしれません。でも、そんな状況だからこそ、任意整理という選択肢について真剣に考えてみる価値があります。
任意整理とは、借金の利息制限法に基づいて、債権者との話し合いによって借金を減額してもらう債務整理の方法です。大幅に債務を圧縮できる可能性があります。
目次
任意整理をしても人生終わりじゃない
多くの借金を抱えた人は、「もう人生終わりだ」「二度と幸せにはなれない」と感じてしまうかもしれません。
しかし、任意整理を選択したからといって、人生が終わるわけではありません。むしろ、借金という重荷から解放され、新たな人生をスタートさせるチャンスと捉えることができるのです。
借金に苦しむ多くの人が任意整理で再スタートを切っている
借金問題に直面した時、「自分だけが苦しんでいる」と孤独感を抱く人もいるでしょう。でも実際には、あなただけではありません。
経済的な理由から多額の借金を抱え、返済に行き詰まってしまう人は少なくないのです。
インタビューにて
リストラをきっかけに多額の借金を抱えた兵庫県の元会社員Bさん(38歳)。任意整理を行ったことで人生が変わったと話してくれました。任意整理後は、計画的に返済を進めながら、再就職にも成功し、家族との時間を大切にする生活を送っているそうです。
任意整理のメリット
任意整理を検討する際は、そのメリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。
任意整理を選択する最大のメリットは、借金の負担を減らせることです。任意整理とは、債権者との話し合いによって、債務の一部を免除してもらう手続きのこと。その結果、返済額を減額できるので、借金の重荷から解放されるのです。
また、任意整理には法的な効力もあります。任意整理の合意が成立すれば、その内容は法的にも有効な債務の整理となるのです。さらに、任意整理には時効の中断効果もあり、時効を理由に債務が消滅してしまうリスクを防ぐことができます。
メリットまとめ
借金の大幅な圧縮が可能
利息制限法に基づいて、借金の利息を大幅にカットできる可能性があります。元金も減額してもらえる場合があり、借金総額を大きく減らせるでしょう。
法的な手続きが不要
任意整理は裁判所を通さずに、債権者との話し合いで進められます。そのため、複雑な法的手続きを踏む必要がなく、比較的スムーズに債務整理を行えます。
プライバシーが守られる
個人再生や自己破産とは異なり、任意整理では官報に掲載されることはありません。周囲にバレずに手続きを進められるため、プライバシーを守りたい方に適しています。
任意整理のデメリット
任意整理にはデメリットもあります。信用情報機関に事故情報が登録され、その後の借り入れなどに影響が出る可能性があります。
また、任意整理では借金の全額が免除されるわけではないので、残った債務は誠実に返済を続けなければなりません。
デメリットまとめ
債権者の同意が必要
任意整理は、債権者との合意が前提となります。減額に応じてもらえなければ、成立しない可能性もあるでしょう。
信用情報に傷がつく
任意整理の事実は個人信用情報機関に登録されます。5年以上その情報が残るため、その間はクレジットカードの作成などができなくなります。
減額できる債務に制限がある
税金や罰金、養育費などの債務は、任意整理では減額できません。任意整理に向いている借金とそうでない借金があることを理解しておく必要があります。
弁護士や司法書士に相談するのが得策
借金問題の解決には、弁護士や司法書士といった専門家の助言が欠かせません。借金の状況を法的な観点から分析し、どのような債務整理の方法が適しているかを教えてくれます。
また任意整理では、債権者との交渉が重要なポイントとなります。弁護士・司法書士に依頼をすれば、専門家として交渉の進め方を判断し、債務者に代わって間に立ってくれるでしょう。
債務整理の手続きは複雑で、専門的な作業が多く含まれています。面倒な手続きを弁護士・司法書士に任せることで、債務者の負担を大幅に軽減できます。
弁護士・司法書士に状況をスムーズに説明できるよう、事前に借金の経緯や抱えている問題点を整理しておくと良いでしょう。
任意整理の依頼から開始までの具体的な手順
任意整理は、借金問題を解決に導く有効な手段ですが、手続きの流れを理解しておくことが大切です。以下では、任意整理の具体的な手順と、各段階で気をつけるべき点について解説します。
STEP①弁護士・司法書士に相談
まずは弁護士や司法書士に借金の状況について相談し、任意整理に適しているかの判断を仰ぎましょう。
STEP②依頼する弁護士・司法書士を決定
相談を経て、実際に任意整理を依頼する弁護士・司法書士を決めます。費用面や信頼感など、依頼先を選ぶポイントをしっかり確認しましょう。
STEP③委任契約の締結
弁護士・司法書士に正式に依頼が決まったら、委任契約を結びます。この契約により、債務整理の代理人として交渉を任せられるようになります。
STEP④債権者への通知
弁護士・司法書士から、債権者に対して任意整理を行う旨の通知が送られます。これにより、取立てが停止されるので、債権者から連絡がくることはなくなります。
この4つのステップを経て、任意整理の手続きが本格的に始まります。
任意整理後の生活はどう変わる?

ブラックリストに載ってもクレジットカードやローンは組める
任意整理後は一定期間、信用情報機関のブラックリストに登録されます。しかし、ブラックリストに載ったからといって、今後一切クレジットカードが作れなくなったり、ローンが組めなくなったりするわけではありません。
一部のクレジットカード会社では、過去に延滞や債務整理の経験がある人でも、一定の審査基準を満たせば利用を認めています。また、任意整理から一定期間経過し、その間に新たな延滞がなければ、銀行カードローンを利用できる可能性もあります。
ただし、任意整理後すぐにクレジットカードの審査に通ったり、低金利のローンを組めたりするわけではありません。審査基準は通常よりも厳しくなり、金利は高めに設定されるでしょう。
計画的な返済を続けることで信用を回復できる
任意整理によって借金を減らすことができても、信用力が即座に回復するわけではありません。ブラックリストに載った状態から信用を取り戻すには、コツコツと誠実な返済を積み重ねていくことが大切です。
まずは、任意整理で決めた返済計画を着実に守っていきましょう。月々の返済額は減額されているので、毎月の支払いは以前よりも楽になっているはずです。この返済を計画通りに続けることが、信用回復への第一歩となります。
また、任意整理後の返済履歴は信用情報機関に登録されます。計画的な返済を続ければ、その記録が積み重なっていくことで、徐々に信用力は高まっていくでしょう。
まとめ
任意整理は、借金問題から解放され、新しい人生を歩み出すチャンスです。
「任意整理をするとブラックリストに載ってしまう」と不安に感じる方もいるかもしれません。確かに、任意整理後は一定期間、信用情報機関のブラックリストに登録されます。
しかし、過去に囚われるより未来に向かって一歩を踏み出す方が健全です。
なお、任意整理において、債権者との交渉は非常に重要な局面です。ここで話し合いがまとまらなければ、任意整理は成立しません。
債権者との交渉は弁護士・司法書士に委ねるのがベストな選択です。交渉の方針については自身の意思を反映することが大切ですが、実務は専門家に任せることで、精神的・時間的な負担を大幅に減らすことができます。