自己破産について考える際、携帯電話の契約はどうなるのか心配になりますよね。結論から言うと、自己破産しても携帯契約は解除されません。
しかし、状況によっては強制解約されるため注意が必要です。
この記事では、自己破産者でも携帯契約を続けることができるのか徹底解説。また新規契約をする際に、どうすれば審査に通りやすくなるのかについても詳しく解説していきます。
【2024年版】自己破産すると起きる9つのデメリットとは?目次
自己破産しても携帯契約は原則解除されない
自己破産は借金を帳消しにする一方で、クレジット契約やローンなど一部の契約が難しくなることで知られています。しかし、携帯契約についてはその限りではありません。
では、具体的にどのような状況下で携帯契約が維持され、またどのような場合に携帯電話が換価対象となるのかについて見ていきましょう。
自己破産中でも既存の携帯契約を維持できる
自己破産を宣告した場合でも、既存の携帯契約は基本的には解除されません。
これは、携帯電話が現代社会において生活を送る上で必要不可欠なツールであり、契約者の生活を害することにつながりかねないからです。
したがって、月々の携帯料金をきちんと支払い続けている限り、自己破産宣告後も携帯電話の利用は可能です。
ただし、ここで重要なのは「月々の携帯料金をきちんと支払う」ことです。
自己破産を宣告しても、その後の携帯料金の支払いを滞らせたり、料金未払いが続いた場合は、キャリアから契約解除の通告を受ける可能性があります。
また、自己破産宣告前に携帯料金の未払いがあった場合も同様です。未払いがある場合は、その解決が先決となります。
自己破産の換価対象は20万円以上が目安
自己破産に際して換価対象となる資産は、その価値が一定額以上である場合に限られます。通常、その目安は20万円以上です。
携帯電話が換価対象となるかどうかは、その携帯電話の価値によります。
例えば、最新の高額スマートフォンを購入したばかりの場合や、複数の携帯電話を所有している場合などは換価対象となる可能性があります。
しかしながら、一般的には、携帯電話の価値が20万円を超えることは少なく、そのまま維持されることが多いです。ただし、これには例外もあります。
たとえば、最新型のスマートフォンを購入したばかりであったり、特殊な高額機種を所持していたりする場合は、換価対象になる可能性があります。
また、携帯電話の換価判断は裁判所や破産管財人の裁量に委ねられています。そのため、一概に全ての携帯電話が換価対象にならないとは断言できません。
特に高価な携帯電話を使用している場合や、複数の携帯電話を所有している場合は、自己破産を申し立てる前に法律家に相談することをおすすめします。
専門家から一言
注意!自己破産で携帯電話が強制解約されるケース
自己破産を宣告すると、通常は既存の携帯電話契約はそのまま維持できます。しかし、いくつかの特定の状況下では、携帯電話契約が強制解約される可能性があります。
ここでは、そのような例外的なケースを解説します。
分割払いで端末代金を支払い中
現在、多くの携帯電話会社は、スマートフォンやタブレットなどの端末を分割払いで購入できます。
これは、高価な端末を一括で支払うのが困難なユーザーにとって便利な制度ですが、自己破産の申立をした場合、この端末代金が未払債務となります。
自己破産の申立をした時点で未払いの債務は全て免除されますが、その一方で新たな債務を生じることは原則として許されません。
したがって、分割払いで端末代金を支払っている場合、その分割払い契約は自己破産の申立と同時に解約される可能性が高くなります。
利用料金を滞納している
携帯電話の利用料金の滞納は、契約解除の原因となり得ます。もし自己破産を申立てる前に携帯電話料金の未払いがある場合、その未払い料金は免除されます。
しかし、自己破産申立後も引き続き利用料金の支払いを滞納すると、携帯電話会社から契約解除を通知される可能性があります。
専門家から一言
家族契約で主回線が自己破産者だと家族に影響を及ぼす場合がある
自己破産を申し立てると、その影響は本人だけでなく、家族にも及ぶことがあります。特に、携帯電話の家族契約において主回線が自己破産者である場合、その影響は大きいです。
家族契約の場合、一つの契約(主回線)の下に複数の端末(副回線)がまとめられています。
主回線の契約者が滞納や自己破産を理由に契約解除された場合、その下の副回線も同時に解約される可能性が高いです。
さらに、自己破産者が新たな携帯電話契約を結ぶのは難しいです。なぜなら、自己破産が信用情報に登録され、携帯電話会社の審査を通過するのが一般的には難しいからです。
そのため、主回線契約者が自己破産すると、その家族全体が携帯電話のサービスを失う可能性があるということです。
しかし、自己破産が決定する前に、主回線の名義を別の家族名義に変更することで、このような問題を避けることも可能です。
ただし、名義変更は携帯電話会社の審査を必要としますので、必ずしもすべてのケースで適用可能なわけではない点を理解しておく必要があります。
自己破産後に新規の携帯契約は可能か?
自己破産をした後でも、一定の条件下で新規の携帯電話契約を結ぶことは可能です。しかし、契約は決して容易ではありません。
免責許可が確定すれば携帯ブラック解消により契約可
自己破産が決定した場合、その情報は信用情報機関に記録され、一定期間(通常は5年)は「ブラックリスト」に載せられます。
これは、新規のクレジットカードやローン、携帯電話の契約を申し込む際に審査に影響を及ぼします。
しかし、免責許可が確定すると、携帯ブラック(TCAによる登録情報)からは削除され、新規の携帯契約が可能となります。
端末の分割購入は審査が厳しい
自己破産後、新規の携帯契約は可能とはいえ、端末の分割購入については、審査が厳しくなることが予想されます。
これは、分割払いが事実上の信用取引とみなされ、その審査に自己破産の記録が影響を及ぼすからです。
したがって、端末代金は一括購入を選択するなど対処が必要となります。
預託金を求められる可能性がある
さらに、自己破産者が新規の携帯契約を申し込む際には、携帯電話会社から一定の預託金を求められる可能性があります。
これは、将来的な支払い遅延や滞納を防ぐための措置です。その額は各キャリアにより異なるため、契約前に確認を取ることが重要です。
なお、預託金の相場は5万円から10万円となっており、執筆時点ではドコモとauで預託金制度が実施されています。
専門家から一言
以上のように、自己破産後でも新規の携帯電話契約は可能ですが、それには一定の制約が伴います。個々の状況により最適な解決策は異なるため、慎重な対応と計画が求められます。その際、法律的なアドバイスや専門家の助けを借りることも重要な選択肢となります。自己破産の影響を最小限に抑え、新たな生活をスムーズにスタートさせるためには、知識と理解を深めることが何よりも重要です。
また、自己破産後に携帯電話を利用する際には、適切な利用と管理方法を心得ておくことも大切です。過度な通信費の発生を避けるために、必要なプランを事前に選択し、使用量を管理することが重要です。
自己破産後に携帯契約の審査を通りやすくするコツ
自己破産した事実は、新たなクレジット契約や携帯電話契約の審査に影響を及ぼす可能性があります。
しかし、その一方で、自己破産後でも賢い方法を用いれば、新たな携帯契約の審査を通過することは不可能ではありません。
以下に、自己破産後に携帯契約の審査を通りやすくするためのコツをいくつか紹介します。
端末代金は一括払いで購入する
端末代金を一括で支払うことは、新たな携帯契約の審査を通過するための効果的な手段です。これは、携帯電話会社が契約者に対するリスクを低減できるためです。
分割払いで端末を購入する場合、会社側は契約者が将来的に分割払いの金額を全て支払い終えることができるかどうかのリスクを抱えます。
このリスクが高いと判断されると、審査が厳しくなる可能性があります。しかし、端末代金を一括で支払えば、そのリスクは事実上ゼロになるため、審査を通過しやすくなります。
契約名義を自分以外の家族にする
自己破産者自身の名義で新たな携帯契約を結ぶことは難しい場合がありますが、その場合でも家族名義での契約は可能です。
ただし、この方法を用いる際は、家族が契約の責任を全うできること、また家族間での信頼関係がしっかりと築かれていることが前提となります。
月額料金の安い格安SIMを利用する
格安SIMは月額料金が大手キャリアに比べて大幅に安いため、支払い能力の低下した自己破産者にとって非常に魅力的な選択肢となります。
また、格安SIMの多くは、審査も寛容なため、自己破産者でも比較的容易に契約を結ぶことが可能です。
さらに、格安の通話・データ通信のプランを自由に選べるため、自身のライフスタイルに合わせて最適なプランを選べます。
専門家から一言
自己破産する際に未納金を一括払いするのは危険
自己破産を考えている方の中には、未納金を一括で支払ってしまおうと思う方もいるかもしれません。しかし、実はこれは一筋縄ではいかない可能性があります。
なぜなら、未納金を一括で払う行為が偏頗弁済とみなされるリスクがあるからです。以下では、詳しく解説します。
偏頗弁済となり免責許可が下りない可能性がある
自己破産の手続きを進める中で、特定の債権者だけに大きな額を一括払いすると、これは「偏頗(へんぱ)弁済」と見なされることがあります。
偏頗弁済とは、破産者が特定の債権者に対して他の債権者を不利にするような行為を指します。
法律上、破産者はすべての債権者に対して平等に対応しなければならないため、偏頗弁済が認定されると免責許可が下りない可能性があります。
これは、自己破産手続きの目的である「借金からの解放」を果たせなくなる大きなリスクです。
家族や友人に支払ってもらうのは問題ない
一方で、家族や友人が未納金を一括払いしてくれるのなら問題なしのケースが多いです。これは、家族や友人が債権者とは異なり、破産法の範囲外であるためです。
しかし、その際には「貸してもらった」という形でなく、「プレゼントや支援」という形にすることが重要です。
なぜなら、「貸してもらった」という形にすると、それは新たな借金とみなされ、破産手続きの障害になり得るからです。
【体験談】自己破産に成功した人の口コミ
2024年12月、自己破産に成功した人の最新の口コミ・体験談を集めました。これから債務整理をしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。58歳 男性 自営業
34歳 女性 派遣社員
42歳 男性 不動産業者
29歳 男性 プログラマー
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まとめ
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特に、端末代金の分割払いや高額な月額料金のプランは審査が厳しい可能性があるため、一括払いや格安SIMの利用などを検討すると良いでしょう。
また、自己破産者が新たに借金を作ることは法的に問題となる可能性があるため、未納金の一括払いは慎重に行う必要があります。ご心配な方は、専門家に相談してみましょう。