個人再生ではクレジットカードが使えない!個人再生後はいつからカード発行できる?

個人再生ではクレジットカードが使えない!個人再生後はいつからカード発行できる?

個人再生手続きを進めると、クレジットカードが使えなくなります。

なぜなら、クレジットカードの使用は新たな借入れとなり得るため、法律上の規定により使用が制限されるからです。この記事では、詳しくその理由と対処法について解説していきます。

クレジットカードが使えなくなる以外にも個人再生にはいくつかのデメリットがあります。すべて確認したい場合は、以下の記事をご参照ください▼

個人再生のデメリット 個人再生で注意したい全デメリット!メリットも合わせて徹底解説

個人再生をするとクレジットカードは使えなくなる

個人再生をするとクレジットカードは使えなくなる

個人再生をするとクレジットカードは使えなくなります。

利用中のカードは個人再生の対象となる

個人再生を申請すると、その時点で保有しているクレジットカードの債務は、再生手続きの対象となります。再生計画に基づいて返済を行う債務の一部となるわけです。

そのため、通常はクレジットカード会社によってカードの利用が停止され、しばらくは使用できなくなります。

保有しているカードは順次解約されていく

個人再生を申請した後も、手続きが進行するにつれて、保有しているクレジットカードは順次解約されていきます。

これは、クレジットカード会社が個人再生の手続きを知った時点で、信用リスクの観点からカードを利用できなくするためです。

個人再生後もクレジットカードを使用するのは厳しい

個人再生手続きが完了し、再生計画に従った返済が終わった後も、その情報は信用情報機関に5年から10年間登録され続けます。

登録情報がクリアになるまでの期間、クレジットカードの使用は厳しくなります。

個人再生で登録される信用情報機関

信用情報機関 特徴
株式会社シー・アイ・シー(CIC) CICは、個々の信用情報に関する履歴情報を提供する機関です。クレジットカード、カーローン、カードローンなどの消費者金融の信用情報を主に扱います。
債務者のローン契約内容、返済状況、個人再生や自己破産などの事故情報などが記録されています。
株式会社日本信用情報機構(JICC) JICCは、特に信販会社や百貨店、家電量販店などの信用情報を扱う機関です。分割払いやリボルビング払いなどの取引情報を記録します。
また、信用保証協会を通じた情報も提供しています。
全国銀行個人信用情報センター(KSC) KSCは、銀行の信用情報を主に扱います。銀行系カードローンや住宅ローンなどの取引情報、および債務整理情報などを記録・提供しています。

社内ブラックで審査落ちする可能性もある

クレジットカード会社には各社独自の審査基準があり、これを「社内ブラック」とも言います。

信用情報機関の情報に加えて、過去の遅延情報や返済状況などを基に、各社が独自の審査を行います。

そのため、信用情報機関の情報がクリアでも、新規のクレジットカード発行が難しい状況になることもあります。

個人再生後にクレジットカードを作れるのはいつ?

個人再生後にクレジットカードを作れるようになるのはいつ?

個人再生後にクレジットカードを作れるようになるのは、信用情報機関の情報がクリアになる時期、つまり5年から10年後です。

個人再生の手続きが終わり、無事に返済計画を完了した後、その情報は信用情報機関に5年から10年間登録され続けます。

この期間中は、新たにクレジットカードを作ることは困難で、信用情報が完全にクリアになるまで待つ必要があります。

信用情報がクリアになった後でも、各クレジットカード会社の独自の審査基準(いわゆる社内ブラック)により、審査に通らない可能性もあります。これは、一度でも個人再生を経験したことがあると、カード会社側から信用リスクが高いと判断される可能性があるためです。

しかし、信用情報がクリアになった後、積極的に信用回復に努めることで、新たなクレジットカードを作ることが可能となります。

そのためには、返済計画の遵守はもちろんのこと、日々の生活の中で信用情報にネガティブな影響を及ぼすような行為(延滞や過度な借入れなど)を避け、安定した生活を続けることが重要です。

個人再生後にクレジットカードを作成するためのポイント

個人再生後にクレジットカードを作成するための重要ポイント

手続きが完全に終了していることを確認する

個人再生手続きが完全に終了していることは、信用情報機関に手続き完了の情報が反映されるため、新たにクレジットカードを作成するための第一歩です。

手続きが完了したことを正確に確認しておきましょう。

信用情報機関の事故情報が消えているか確認する

信用情報機関の事故情報が消えているか確認することも重要です。

個人再生の手続きが終了してから一定期間(通常は5年から10年)経つと、信用情報機関から事故情報が削除されます。

その期間が経過しているか、開示請求を行い自身で確認してみましょう。

現在の収入と支出の状況を把握しておく

現在の収入と支出の状況を把握しておくことも大切です。

クレジットカード会社は申込者の返済能力を重視しますので、収入と支出のバランスが健全であることが求められます。

また、定期的な安定収入があることも重要とされます。

クレジットカードヒストリーを作る

良好なクレジットカードヒストリーを作ることは、新たにクレジットカードを作成するための鍵となります。

カード利用の適正な管理や、ローンやカードの支払い遅延を避けることは、新たなカードの発行に向けて有利となります。

低い限度額で申請する

新たにクレジットカードを作成する際は、初めての申し込みではあまり高いクレジット限度額を設定しないようにしましょう。

審査では返済能力が重要視されますので、あまり高い限度額を設定すると返済能力に疑問が持たれ、審査に通りにくくなる可能性があります。

始めは小さな限度額から始めて、その後、返済状況や使用状況に応じて段階的に上げていくことを推奨します。

専門家から一言

これらのポイントを押さえることで、一度失われた信用情報を取り戻せます。焦らず、一歩一歩確実に進めていきましょう。

個人再生でやってはいけないクレジットカードの使い方

手続き後にカードを使用する

個人再生の手続きを開始した後、クレジットカードの利用を続けることは辞めておきましょう。

個人再生は、債務を軽減し、生活を立て直す機会を提供してくれます。しかし、手続きが始まった後にカードを使い続けると、返済できない新たな債務を作ることになります。

返済能力を上回る借入を行っていることを示すため、詐欺罪に問われる可能性があります。個人再生の手続きを開始したら、すぐにクレジットカードの利用を停止しましょう。

クレジットカードの現金化を試みる

クレジットカードの現金化とは、カードの利用限度額を現金に変えることで非常にリスクが高い行為です。

高額な手数料が発生し、金利も非常に高く、借金問題をさらに深刻化させる恐れがあります。また、クレジットカードの利用規約に違反する可能性もあります。

個人再生の過程でクレジットカードの現金化を試みることは絶対に避けるべきです。

クレジットカードの所有状況を知らせない

個人再生の手続きを進める際、所有しているすべてのクレジットカードについて報告することが重要です。これらの情報は全体的な債務状況を把握し、適切な返済計画を作成するために必要だからです。

所有しているクレジットカードの情報を隠すと、手続きの進行が妨げられ、債権者からの信用を失います。

さらに、正直かつ透明性が求められる法的手続きなので、隠蔽や偽装行為が発覚した場合、手続きが止まるだけでなく、違法行為として罰せられる可能性もあります。

個人再生中の決済手段はどうすればいい?

個人再生の手続きを進めるとクレジットカードが使えなくなるため、日々の生活で支払い手段が限定されます。

しかし、現代は多様な決済手段が存在します。

家族カードを発行する

家族がクレジットカードを持っている場合、家族カードという選択肢があります。これは家族のクレジットカードの付帯カードで、同じカード会社から発行されます。

ただし、家族が支払い責任を持つことになるため、その点を理解した上で利用する必要があります。

デビットカードを使用する

デビットカードは、銀行口座に入っているお金を直接引き落とす形式のカードです。

クレジットカードとは違い、事後の支払いではなく即時支払いになるため、借入れとはなりません。このため、個人再生中でも使用することが可能です。

銀行振込やコンビニ決済で支払う

ネットショッピングなどを利用する際には、銀行振込やコンビニ決済を選択することも可能です。

これらの方法は即時支払いであるため、個人再生手続き中でも利用することができます。

電子マネー(Suica、PASMO、nanaco等)を利用する

電子マネーはプリペイド式の支払い手段であり、個人再生中でも利用することができます。

事前にチャージしておけば、電車の乗車券や小売店での買い物など、様々な場面で利用することが可能です。

モバイル決済サービス(PayPay、楽天ペイ等)を利用する

モバイル決済サービスも、デビットカード同様に即時支払い方式のため、個人再生中でも利用可能です。

スマートフォンにアプリをインストールして、銀行口座と連携させれば利用できます。

プリペイドカードを利用する

プリペイドカードは、あらかじめ必要な金額をカードにチャージして使うタイプのカードです。

VISAやMasterCardのプリペイドカードは、通常のクレジットカードと同じように、オンラインショッピングや店頭での決済に利用することができます。

クレジット審査がないため、個人再生中でも問題なく利用できます。ただし、あらかじめチャージした金額の範囲内でしか利用できないため、管理が必要です。

個人再生はどのような流れで進んでいくのか?

STEP.1
弁護士や司法書士と相談し、個人再生手続きの必要性と適用性を確認する
まずは専門家と相談し、自己の財政状況が個人再生の対象となるかどうかを見極めます。その際、具体的な負債額、収入状況、生活費等を明らかにすることが重要です。
STEP.2
必要書類の収集(収入証明、負債状況の詳細等)
手続きを進めるためには、自身の経済状況を示す書類が必要になります。これには、収入証明書、負債状況を示す書類、財産目録などが含まれます。
STEP.3
再生計画案の作成(返済計画を含む)
自身の収入と支出を基に、個人再生計画案を作成します。これには、どの債務をどの程度、どの期間で返済するのかという具体的な計画が含まれます。
STEP.4
裁判所への申立てと再生計画案の提出
作成した再生計画案を裁判所に提出し、個人再生手続きの開始を申し立てます。
STEP.5
裁判所からの仮処分命令(財産管理命令)の受け取り
申し立てが受理されると、裁判所から仮処分命令が出され、自身の財産が保全されます。
STEP.6
債権者集会の開催(個人再生計画について債権者と対話する機会)
債権者へ再生計画案の内容を説明し、その承認を得るために債権者集会が開催されます。
STEP.7
債権者からの意見・反対申立ての対応
債権者から反対申立てがあった場合、その理由に応じて対応します。この段階で、再生計画案の修正が必要となることもあります。
STEP.8
裁判所からの再生計画確定命令の受け取り
債権者からの意見や反対申立てに対応した後、裁判所から再生計画案の確定命令を受け取ります。
STEP.9
確定命令後の返済開始とその管理
裁判所から再生計画が確定した後は、計画通りに返済を開始します。返済は主に再生管財人を通じて行われ、定期的に返済状況を報告することが求められます。
STEP.10
最終的な債務免除
全ての返済が完了したら、裁判所から最終的な債務免除の決定を受け取ります。これにより、再生計画に記載された債務から解放され、経済的な再スタートを切ることができます。

専門家から一言

全てのステップが終了するまでには時間がかかるため忍耐力が必要ですが、個人再生を成功させることで、借金の負担から解放され、新たな生活を始めることができますよ。

まとめ

個人再生を行うと、手続き中のクレジットカードは順次解約されるため使用することは難しくなります。

信用情報機関の登録も長期間残るため、再生手続き完了後でもすぐにクレジットカードを作成することは厳しいです。

しかし、一定期間が経過し、信用情報が改善したら再度クレジットカードの発行を検討できます。

クレジットカードが使えない期間でも、デビットカードやプリペイドカードなどを利用することで生活に必要な決済手段は確保できますよ。