債務整理(任意整理)してもクレジットカードは使える?新規発行はできるのか

債務整理をしたらクレジットカードは使えない?

債務整理をすると一定期間、新規クレジットカード発行や既存カード更新が難しくなります。

任意整理の場合、整理対象外のクレジットカードは一時的に利用できることもありますが、カード会社が途上与信や更新時に債務整理の事実を把握すると利用停止や解約となるのが一般的です。

個人再生や自己破産の場合は、すべてのクレジットカードが利用停止・解約に。

ただし、債務整理を行っても5~7年が過ぎれば信用情報から事故情報が消え、新たなカード発行が可能になります。さらに詳しい内容は本文にて解説していきます。

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債務整理のデメリットについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

債務整理のデメリット 債務整理のデメリットとは?対処法やメリットも詳しく解説

債務整理を行うと新たなクレジットカードはしばらく作れない

債務整理を行うと新たなクレジットカードはしばらく作れない

信用情報の影響で新規発行・更新が厳しくなる

債務整理を行うと、原則として自分名義のクレジットカードは利用できなくなります。

債務整理の手続き(任意整理・個人再生・自己破産)を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されるため、クレジットカード会社は新規発行や継続利用を認めなくなります。

特に自己破産や個人再生の場合は、すべてのクレジットカードが原則として利用停止・強制解約となります。

信用情報とは、個人の借り入れやクレジットカードの利用状況などを記録したもので、信用情報機関によって管理されている

その他できなくなること

事故情報が登録されている間は、以下のこともできなくなります。

  • 貸金業者からの借り入れ
  • 貸金業者への保証人になること(奨学金保証人も含む)
  • 携帯電話・スマートフォンの分割購入
  • 分割払いによるショッピングローン

これらはすべて信用情報に基づく審査が必要なため、事故情報がある状態では利用できません。

審査が甘いカードでも作れない

インターネット上で「審査が甘い」とされるACマスターカードや楽天カードであっても、債務整理による事故情報が登録されている場合には審査に通りません。

これらのカード会社も信用情報を確認するため、事故情報がある限り発行は不可能です。

審査が甘いとされるカードや保証人なしのカードでも、事故情報が残っている間は新規発行は難しいのが実情です

家族や周囲への影響はない

信用情報は個人ごとに管理されているため、債務整理をした本人以外の家族や周囲の人には影響しません。

家族や配偶者がクレジットカードを申し込む際には、その人自身の信用情報のみが審査対象となります。

家族カードの利用について

家族カードの利用や、債務整理をしていない家族名義のカードを使う方法は可能ですが、カード会社によっては家族カードの発行を制限する場合もあります。

ブラックリスト入りを避けるべきか

「ブラックリスト」とは、事故情報として債務整理をしたことが掲載されている状態のことをいいます。

債務整理によるブラックリスト状態を避けたいと考える方もいますが、返済に窮して延滞が61日以上続いた場合でも同様に事故情報として登録されます。

そのため、返済困難な状況では早めに債務整理を検討する方が適切です。

クレジットカード作成が可能になる時期

債務整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録されますが、この情報は永続するものではなく、一定期間経過後に削除されます。

クレジットカードを新たに作成できるようになる時期は、事故情報が信用情報機関から消去された後です。

多くのクレジットカード会社はJICCに加盟しているため、事故情報が消えるのは原則5年後ですが、KSCに登録がある場合は最長7年(自己破産・個人再生)となります。

事故情報が消去された後は、クレジットカードの申込みが可能になりますが、審査には収入や雇用形態など他の要素も考慮されます。

クレジットカードの利用を再開したい場合は、事故情報が消えた後、債務整理の対象ではなかった会社に申し込む、複数社への同時申込みを避ける、限度額を低く設定するなど、審査に通りやすくする工夫も必要です。

信用情報機関ごとの登録期間

信用情報機関の事故情報が削除される期間は、任意整理や個人再生であれば完済から5年、自己破産であれば手続き開始から5~7年が目安です。

信用情報機関 任意整理 自己破産 個人再生
CIC 和解成立から5年 破産手続開始から5年 登録なし
JICC 和解成立から5年 破産手続開始から5年 完済から5年
KSC 登録なし 破産手続開始から7年 個人再生開始決定から7年
MEMO
自己破産については、以前はKSCで10年とされていましたが、現在は7年が上限となっています

会社独自の記録(社内ブラック)に注意

信用情報機関の事故情報が消えても、債務整理をしたクレジットカード会社や金融機関が独自に保有する「社内ブラックリスト」に情報が残っている場合があります。

この場合、同じ会社でのクレジットカード発行やローン契約は難しいことがあります。

信用情報の回復を早める手段はない

信用情報の回復を早める裏技や例外はなく、期間の経過とともに情報が消去されるのを待つしかありません。

信用回復のためには、新たな借入れやクレジットカード申込みを控え、家計管理や返済計画を徹底することが重要です。

信用情報が回復した後も、短期間に複数のカード申込みをしないなど、慎重な行動が求められます。

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債務整理でクレジットカードが利用できないときの対処法

クレジットカード会社を任意整理の対象から外す

任意整理の場合、整理対象とする債権者を選ぶことができます。クレジットカード会社を任意整理の対象から外せば、そのカードは理論上は手元に残ることになり一時的に利用を継続できる場合があります。

ただし、信用情報に事故情報が登録されるため、カード会社が定期的に信用情報を確認する「途上与信」やカード更新時に債務整理の事実が判明すると、利用停止や契約解除となる可能性が高いです。

この方法でクレジットカードを使い続けられるのは一時的です。

任意整理でもクレジットカードを維持できる可能性はあるが長期的には利用停止となる可能性が高い

コンビニ払いなど他の決済手段を利用する

クレジットカードが使えない場合は、ネットショッピングなどでコンビニ払いを利用する方法があります。

多くのオンラインショップやショッピングモール(Amazon、楽天など)では、クレジットカード以外にもコンビニ払い、銀行振込、代金引換などの決済手段が用意されています。

これらを活用することで、クレジットカードがなくても買い物が可能です。

デビットカードやプリペイドカードもおすすめ

デビットカードは銀行口座の残高の範囲内で利用でき、審査が不要なため、債務整理後でも発行できます。プリペイドカードも事前にチャージした金額の範囲内で使え、審査なしで発行できます。

VISAやMasterCardなどの国際ブランド付きプリペイドカードであれば、オンラインショッピングや店頭決済にも幅広く利用できます。

注意
ただし、デビットカードやプリペイドカードは一部のサービスや取引で利用できない場合がある点に注意が必要です。

手元資金での支払いを徹底する

分割払いやリボ払いの利用が常態化していた場合は、債務整理後は現金主義に切り替えることが重要です。

欲しいものがある場合は、事前に手元資金を貯めてから購入する習慣をつけましょう。これにより、再び借金を増やすリスクを防ぐことができます。

クレジットカード利用中の人が債務整理を行う際の注意点

クレジットカードを利用中の人が債務整理を行う際の注意点

債務整理を行う際、クレジットカードの利用者は以下の点に注意が必要です。

債務整理依頼後に引き落としされる可能性がある

債務整理を依頼しても、クレジットカードの引き落としはすぐに停止されるとは限りません。

受任通知がカード会社に届くまでの間は、従来通り引き落としが継続されることがあり、数日から数週間かかる場合もあります。

この間に引き落としが行われると、債務整理の効果が十分に得られないことや、返済した分が手続き上「偏頗弁済」とみなされる場合もあります。

引き落としを防ぐためには、引き落とし口座の残高を0円にしておくなどの対応が有効です。具体的な対応方法は、依頼した弁護士や司法書士の指示に従いましょう。

クレジットカードの所有と利用は必ず申告する

自己破産や個人再生の手続きでは、すべての債権者(クレジットカード会社も含む)を手続きの対象にする必要があります。

クレジットカードの所有や利用を申告せずに使い続けていると、特定の債権者への返済(偏頗弁済)とみなされ、手続きが不利になったり、免責不許可事由に該当する可能性があります。

最悪の場合、自己破産や個人再生が認められないこともあるため、クレジットカードの所有や利用状況は必ず正確に申告しましょう。

公共料金やサブスクサービス等の支払い方法を変更しておく

クレジットカード払いにしている公共料金やサブスクリプションサービスなどは、債務整理後にカードが使えなくなるため、事前に銀行引き落としや請求書払いなどに変更しておく必要があります。

変更を怠ると、支払いが滞納扱いになるリスクがあります。

クレジットカードのポイントや特典の消失に気を付ける

債務整理を行うとクレジットカードが利用停止・解約となるため、貯まっているポイントや特典は失効します。

手続き前にポイントを使い切るか、他のポイントに交換しておくことをおすすめします。

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債務整理の種類と手続きの流れ

債務整理の種類と特徴について

債務整理の種類

債務整理には複数の方法があり、状況や希望に応じて最適な手段を選ぶ必要があります。主な種類とその特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。

任意整理

任意整理は、債権者と交渉して利息や遅延損害金をカットし、元金を分割返済する方法です。裁判所を介さずに手続きが進められるため、比較的短期間で完了します。

特徴

  • 家族などに秘密にできる
  • 特定の債権者だけを対象にできる
  • 3ヶ月~半年程度で和解が成立し、手続きも短期間で終了
  • 返済期間は3~5年で、毎月の返済負担を軽減できる

注意点

  • 信用情報に事故情報(ブラックリスト)が登録され、完済後約5年間、信用取引に制限がかかる
  • 利息の減額はできるが、元金の大幅な減額は期待できない

個人再生

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で分割返済する計画を立てる手続きです。住宅ローン特則を利用すれば、自宅を手放さずに債務整理ができる場合もあります。

特徴

  • 借金の元本を最大で5分の1程度まで大幅に減額できる(最低弁済額は法律で決まっている)
  • 住宅ローン特則を利用すれば、自宅を維持しながら他の借金だけを減額できる
  • 自己破産のような資格制限や免責不許可事由がないため、職業への影響が少ない

注意点

  • 裁判所を通すため手続きが複雑で、完了まで1年前後かかることが多い
  • 一定の安定した収入が必要で、返済計画を立てられない場合は利用できない
  • 信用情報に事故情報が登録され、完済後も5~7年程度は新たな借入やクレジットカードの利用が制限される
  • 財産の一部を手放す必要が生じる場合がある

自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てて借金の返済義務を免除してもらう手続きです。生活に必要最低限の財産を除き、原則として財産は処分されます。

特徴

  • ほとんどの借金が帳消しになり、返済義務がなくなる
  • 債権者からの取り立てや督促が止まる
  • 生活再建のスタートとなる

注意点

  • 一定以上の財産(不動産や高額な預貯金など)は処分される
  • 信用情報に事故情報が登録され、10年間は新たな借入やクレジットカードの利用が制限される
  • 官報に名前が掲載される
  • 一部の職業(士業や警備員など)に一定期間就けなくなる場合がある
  • 免責されない債務(税金、養育費、罰金など)がある

債務整理の手続きの流れ

①専門家への相談・依頼

借入先や借入額、返済状況などを伝え、相談します。相談内容をもとに、どの債務整理方法が適切かアドバイスを受けます。

②受任通知の送付

正式に依頼すると、弁護士や司法書士が債権者に「受任通知」を送付します。これにより債権者からの督促や取立てがストップします。

③必要書類の準備と提出

債務整理の種類ごとに必要な書類を準備します。

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
  • 印鑑
  • 債権者一覧表(借入先ごとの債務額、金利、返済状況などを記載)
  • 収入証明書(給与明細、源泉徴収票、確定申告書など)
  • 財産目録(不動産、自動車、預貯金、保険など)
  • 家計の収支表(毎月の収入と支出を記載)
  • クレジットカードやキャッシュカード、借入契約書や明細書
  • 裁判関係書類(訴訟中の場合)

※手続きによっては追加書類が必要になることがあります

④債権者との交渉または裁判所への申立て

任意整理の場合は、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、和解案を作成して合意を目指します。個人再生や自己破産の場合は、裁判所に申立書を提出し、法的手続きを進めます。

個人再生では再生計画案を作成し、裁判所の認可を経て分割返済を開始します。自己破産では免責許可を得ることで借金が免除されます。

⑤和解成立・返済開始または免責決定

任意整理や個人再生は和解・認可後に返済が始まります。自己破産は免責決定後、借金返済義務がなくなります。

債務整理後の生活のポイント

債務整理後の生活では、家計管理や計画的なカード利用などが重要です。債務整理によって一時的にクレジットカードが使えなくなっても、借金問題の根本的な解決が最優先であり、適切な対応を取れば将来的に再びクレジットカードを利用できるようになります。

過払い金請求の際にクレジットカード残高があるとどうなる?

クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠があり、過払い金請求ができるのはキャッシング枠の取引のみです。ショッピング利用には過払い金は発生しません。

キャッシングで利息制限法を超える金利で借入・返済をしていた場合、過払い金が発生している可能性があります。

過払い金請求をする際にショッピング残高が残っている場合は、キャッシングの過払い金とショッピング残高が相殺されます。

たとえば、キャッシングの過払い金が10万円あり、ショッピング残高が20万円ある場合、過払い金はショッピング残高の返済に充当され、差額の10万円は引き続き支払う必要があります。

逆に、過払い金がショッピング残高を上回る場合は、その差額分のみ返還請求が可能です。

MEMO
キャッシングの過払い金だけを現金で返してもらい、ショッピング残高はそのままにすることはできません。必ず相殺処理がされるため、ショッピング残高がある場合は現金で過払い金が戻ることはないか、戻る金額が減ります。

過払い金請求を行う際の注意点

過払い金請求をしたクレジットカードは原則として解約となり、ショッピング機能も含めて利用できなくなります。請求前にそのカードで公共料金や家賃などを支払っている場合は、他の支払い方法に変更しておく必要があります。

さらに、過払い金請求や残高の有無によっては信用情報に事故情報が登録されることがあり、他社のカード利用にも影響が出る場合があります。

過払い金請求を検討する際は、取引履歴を取り寄せて引き直し計算を行い、弁護士などの専門家に相談することが重要です。

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サンク総合法律事務所の口コミ 弁護士法人サンク総合法律事務所の評判・口コミ【任意整理の費用は高い?】

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まとめ

債務整理を行うとクレジットカードが使えず不便になるものの、永遠に使えなくなるわけではありません。また、デビットカードをはじめとした代替手段があります。

手続きを進める際は、まず弁護士や司法書士などの専門家に相談することが重要です。

専門家は、債務者の状況を確認し、任意整理・個人再生・自己破産など最適な方法を提案してくれます。どの手続きを選ぶかは、借金総額や返済能力、資産状況などを総合的に判断して決まります。