「返済に追われる毎日で、このまま生きていけるのか不安…」
「借金のことを家族に打ち明けられずに、一人で悩んでいる…」
多重債務に悩む方の中には、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、個人再生という制度を利用すれば、借金の悩みから解放され、新たな人生をスタートできる可能性があります。
個人再生の検討を機に、まずは費用面の不安を払拭することが大切です。
住宅ローンで自宅を保有している方が、借金を返せなくなったときに検討することが多い個人再生ですが、法的手続きであるためどうしても費用がかかります。
個人再生にはどの程度の費用が必要なのでしょうか。
この記事では、個人再生を検討中の方に向けて、
- 個人再生の手続きにかかる費用の概要
- 弁護士費用を抑える工夫
- 個人再生後の支払い方法
上記について、多重債務者の再生をサポートしてきた司法書士としての知見を交えながら解説しています。
債務整理は、人生の再スタートを切るためのチャンスです。
ぜひ参考にして、あなたに最適な再生プランを見つけてください。
このページでは、個人再生の費用がどの程度なのか、その相場や安くする方法についてお伝えします。
目次
個人再生の概要
個人再生にどのような費用がかかるかを確認する前提として、個人再生とはどのような手続きなのかを確認しましょう。
個人再生とは、民事再生法第13章に規定されている、小規模個人再生と給与所得者等再生という、個人が利用することが想定されている規定に基づいて行なう債務整理手続きです。
借金を最大1/10に減額してもらって、分割して返済していくことが可能な手続きとなっています。
自己破産をすると職業制限によって仕事を退職しなければならない方は、自己破産をせずに個人再生で職業制限にかからずに債務整理をすることが可能です。
また、住宅ローンで住宅を購入した方は、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用すれば、住宅を持ち続ける事が可能です。
そのため、任意整理では債務の支払ができないが、自己破産では職業制限にかかる場合・住宅を住宅ローンで購入した場合、に個人再生は利用されます。
個人再生の費用はどのくらいかかる?詳しい内訳をチェック
個人再生の手続きを検討する際、まず気になるのは費用面ではないでしょうか。
弁護士費用や予納金など、どのような費用がどの程度かかるのかを把握することが、個人再生への第一歩と言えます。
個人再生にかかる費用の内訳として、大きく分けると
- 弁護士・司法書士に対する費用
- 個人再生の申立てにかかる費用
があり、それぞれさらに細かく費用の種類が分かれています。
費用面の不安を払拭し、スムーズに手続きを進めるためにも、個人再生にかかる費用の概要を理解しておくことが大切です。
以下で、個人再生の費用について詳しく解説していきます。
個人再生にはどのような費用がかかる?
個人再生の手続きには、主に以下のような費用がかかります。
- 弁護士費用:
個人再生の申し立てを弁護士に依頼する場合にかかる報酬です。着手金と成功報酬があり、債権者数や債務額によって金額が変動します。 - 予納金:
裁判所に個人再生を申し立てる際、予め納める必要がある費用です。予納金は、申立て費用として1万円の収入印紙が必要です。 - 郵券代:
個人再生の手続きでは、裁判所から債権者へ各種通知を送る必要があります。その郵送費用は申立人が負担することになり、「予納郵券」として2000円から4000円程度を予納金とは別に納めます。 - 官報公告掲載費用:
個人再生を申し立てると、官報に事実が公告されます。その費用として、1万4000円前後が必要になります。
また、任意整理から個人再生に移行するケースでは、任意整理の段階で発生した費用も併せて支払う必要があります。
これらの費用は、弁護士事務所によって異なる場合がありますので、初回相談の際に丁寧に説明してもらうことをおすすめします。
なお、個人再生にかかる費用は、原則として一括払いが求められます。
しかし、分割払いに応じてくれる弁護士事務所もありますので、支払い方法についても相談してみると良いでしょう。
個人再生の費用は、債務整理を成功させるための重要な投資と言えます。
手続きにかかる費用の概要を把握し、債務から解放される未来を具体的にイメージすることが、前に進むための原動力になるはずです。
弁護士費用の相場は?
個人再生を申し立てる際、多くの方が弁護士に依頼することになります。
弁護士費用は個人再生の費用の中で最も大きな割合を占めますが、その相場はどの程度なのでしょうか。
個人再生の弁護士費用は、一般的に以下のような内訳になっています。
- 着手金:
30万円~50万円程度 - 成功報酬:
20万円~30万円程度 - 予納金等:
10万円~20万円程度
つまり、債権者が5社の場合、着手金30万円、成功報酬20万円、予納金等10万円とすると、合計60万円程度が目安と言えます。
ただし、この金額はあくまで一例であり、弁護士事務所によって異なります。
事務所の規模や立地、弁護士の経験など、様々な要因によって費用設定は変わってきます。
また、債務の内容によっても弁護士費用は左右されます。
例えば、債務の総額が高額であったり、債権者の数が多かったりする場合は、弁護士の手間が増えるため、費用が高くなる傾向にあります。
弁護士費用の相場を知ることは大切ですが、安さだけで法律事務所を選ぶのは避けた方が無難でしょう。
債務整理のプロである弁護士の知識と経験は、手続きを円滑に進め、再生の実現可能性を高めるための大きな武器になります。
費用の安さよりも、依頼者に寄り添い、再生への道筋を示してくれる弁護士を選ぶことが肝要です。
個人再生の出口が見えず不安を感じている方は、まずは弁護士への無料相談を活用してみましょう。
法律のプロから見た債務の状況を確認し、弁護士費用の目安を把握することで、具体的に行動を起こすきっかけをつかめるはずです。
弁護士・司法書士への相談料は無料のケースが多い
個人再生などの債務整理は、まず弁護士・司法書士に相談を行います。弁護士・司法書士に相談をするには、30分5,000円程度の相談料の支払いをしなければなりません。
なお、個人再生や債務整理については、相談料の支払いすら厳しいという方がほとんどなので、債務整理に取り組んでいる弁護士・司法書士は通常は無料で相談を受け付けています。
着手金の詳細
弁護士・司法書士に案件の依頼をする場合には、まず着手金の支払をする必要があります。個人再生の場合、25万円~50万円程度が着手金の相場になります。
成功報酬を請求する場合には着手金は低めで、成功報酬を請求しない場合には着手金が多めになる傾向があります。
着手金は、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用する場合に加算されることがあります。
25万を超える支払いが難しい方は多いかと思いますが、債務整理に取り組んでいる弁護士・司法書士は、着手金の分割支払いを認めているので、無理なく支払えるようにしてくれています。
事務所によって、単に報酬としているケースや、基本報酬と呼んでいるケースもあります。
成功報酬の詳細
弁護士・司法書士が個人再生の申立てを行い、債務の一部が免責されて残った額の分割支払をする再生計画案が許可されると、個人再生が成功したとして成功報酬の支払いが必要になります。
成功報酬の相場は0万円~30万円で、着手金でどの程度請求しているか、などによって異なります。こちらも、分割で支払うことが可能です。
予納金とは何か
個人再生の費用を見積もる際、弁護士費用と並んで目にするのが「予納金」という言葉です。
予納金とは一体何を指すのでしょうか。
予納金は、裁判所に対して予め納める費用のことを指します。
個人再生の申立時に裁判所に納める費用で、事件番号ごとに1万5000円程度が一般的とされています。
予納金の主な使途は、以下の通りです。
- 郵券代:
裁判所から債権者へ送る通知書類の郵送費用(2000円から4000円程度) - 官報公告費用:
官報に個人再生の開始決定等を公告するための費用(1万3744円) - その他の手続費用:
事件記録の作成費用など
つまり、予納金は個人再生手続きを進める上で必要な実費として、申立人が負担するものだと言えます。
予納金の金額は、申立時に弁護士から説明されるのが一般的です。
予納金は原則として一括払いとなりますが、分割での支払いに応じてくれる事務所もあります。
弁護士費用と合わせて高額になる場合は、支払い方法についても相談してみると良いでしょう。
なお、予納金とは別に、個人再生委員への報酬も必要になります。
個人再生委員は、再生計画案の調整など、手続き完了に向けて重要な役割を担います。
その報酬は、原則として債務者の負担となります。
ただし、個人再生委員の報酬は、再生計画認可後に分割で支払うことが通例です。
このため、個人再生の申立時には予納金のみ用意しておけば、手続きを始められます。
債務の返済に追われ、予納金の捻出も厳しいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、予納金は、再生手続きの入口に立つための必要経費です。
債務から解き放たれ、新たな人生を歩み出すための第一歩と捉え、工面する道を見出していくことが大切だと筆者は考えます。
その他の費用
債権者から訴訟を起こされた場合に、裁判所に出向く日当として、1回1万円~2万円程度+交通費の実費を支払うことになります。
また、弁護士が依頼者・裁判所・債権者に電話・郵送などを行なうための通信費などの請求がかかることがあります。
かかった実費を計算して成功報酬と一緒に請求する場合や、最初に一定の金額を請求する場合もあります。
個人再生の相場と債務整理に強い有名事務所を料金比較
それぞれの相場を、実際にいくつかの事務所の費用と比較して検討してみましょう。
相場 | 弁護士法人ユア・エース | 弁護士法人ロータス法律事務所 | 司法書士法人はたの法務事務所 | |
---|---|---|---|---|
相談料 | 30分5,000円~ | 無料 | 無料 | 無料 |
着手金 | 25万円~50万円 | 220,000円 (住宅資金特別条項がある場合は330,000円) | 330,000円 (住宅資金特別条項がある場合には440,000円) | 385,000円 |
成功報酬 | 0円~30万円 | 330,000円 | 330,000円 | なし |
その他 | – | HPには記載なし | 55,000円 | 管理費が発生するとの記載のみあり |
※各事務所の費用は税込の金額
着手金だけを見ると司法書士法人はたの法務事務所の金額が一番高いのですが、成功報酬がないのでトータルで見ると司法書士法人はたの法務事務所が一番安いといえます。
個人再生を任意整理・自己破産の費用相場と比較
個人再生の費用は任意整理や自己破産と比べてみましょう。
手続き | 費用の概算 |
---|---|
個人再生 | 40万円~60万円 |
任意整理 | 相談料:無料 着手金:1社あたり2万円~5万円 成功報酬:1社あたり0万円~2万円+減額した分の10% |
自己破産 | 相談料:無料 着手金:20万円~40万円 成功報酬:0万円~30万円 |
債権者と交渉をする任意整理は、債権者の数ごとの費用体系になっています。
同じように裁判所への申立てを行なう自己破産ですが、個人再生のように再生計画案をつくる必要がないので、費用が安めです。
任意整理は弁護士費用が安いのですが、元金を分割して支払う必要があります。
一方自己破産は個人再生よりも弁護士費用が安く、債務を免責してもらえますが、自宅を手放す必要がある、警備員や宅建業などの資格制限がある、などのデメリットがあることと一緒に検討する必要があります。
個人再生の費用を安く抑えるための5つの方法
個人再生にかかる費用を少しでも抑えたいとお考えではないでしょうか。
弁護士費用や予納金など、個人再生の手続きには一定の費用がかかりますが、工夫次第で負担を減らせる可能性があります。
費用面の不安から個人再生を諦めてしまう前に、まずはコストを抑える方法を知っておくことが大切です。
ここでは、個人再生の費用を安く済ませるための5つの方法を詳しく解説していきます。
費用を分割払いにしてもらう
個人再生の手続きにかかる費用を一括で支払うのは難しいと感じている方も多いでしょう。
特に多重債務に悩んでいる場合、数十万円の費用をまとめて用意することは容易ではありません。
そんな時は、弁護士事務所に費用の分割払いを相談するのがおすすめです。
現在、多くの弁護士事務所では個人再生の費用を分割で支払えるプランを用意しています。
例えば、着手金と報酬金を合わせて50万円の費用がかかる場合、以下のような分割払いが可能な事務所があります。
- 着手金を2〜3回の分割で支払い:
個人再生の申立時に必要な着手金を、2回または3回に分けて支払う方法です。初回は10万円程度から支払いがスタートできる事務所が多いようです。 - 報酬金を毎月の分割で支払い:
残りの報酬金は、個人再生の弁済が始まってから毎月の分割払いにする方法です。月々1万円程度の支払いとできる事務所もあります。
このように分割払いを上手に活用することで、個人再生にかかる費用の初期負担を大幅に減らすことができるでしょう。
ただし、分割払いの条件は弁護士事務所によって異なります。
まずは無料相談を利用して、依頼する事務所の支払い条件を確認しておくのが賢明です。
分割払いに対応してくれる弁護士事務所を見つけることで、個人再生をより身近なものに感じられるはずです。
費用面での不安を和らげ、前向きに再生手続きに取り組む第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
過払い金の返還を求める
個人再生の費用を抑えるもう一つの方法が、過払い金の返還を求めることです。
過払い金とは、本来は払う必要のなかった利息を貸金業者に支払ってしまっていた場合に、取り戻せるお金のことを指します。
借金の返済にお困りの方の中には、過払い金を請求できる可能性がある人も多いのです。
例えば、以下のようなケースでは過払い金の返還を受けられる可能性が高いと言えます。
- グレーゾーン金利で借りていた:
利息制限法の上限金利を超えるいわゆるグレーゾーン金利で借りていた場合、超過分の利息は過払い金として取り戻せます。 - 借り入れから10年以内である:
最終の借り入れから10年以内であれば、過払い金の返還請求権が残っている可能性が高くなります。
このように、過払い金の返還が見込める場合、その分を個人再生の費用に充てることができるでしょう。
場合によっては、過払い金の額が弁護士費用を上回ることもあり、個人再生の手続きを実質無料で進められることもあるのです。
借金問題でお悩みの方は、一度は過払い金の有無を確認してみる価値があります。
もし自力で過払い金の有無を調べるのが難しいようであれば、弁護士に相談するのが確実です。
多重債務の解決に長けた弁護士なら、あなたが過払い金の返還を受けられるかどうかを的確に判断してくれるはずです。
過払い金の返還を求めることは、個人再生の費用を抑える有力な方法の一つと言えます。
借金問題の解決と合わせて過払い金の請求を検討することで、より前向きに再生への一歩を踏み出せるかもしれません。
司法書士に依頼する
個人再生の手続きを行う際、弁護士ではなく司法書士に依頼することで費用を抑えられる場合があります。
一般的に、司法書士の報酬は弁護士と比べてリーズナブルだと言われています。
弁護士の平均的な着手金が30万円程度なのに対し、司法書士なら20万円程度で依頼できる事務所もあるようです。
ただし、司法書士に依頼するメリットがある一方で、注意点もあります。
司法書士は裁判所に提出する書類の作成などを主な業務としており、法律相談や裁判所での交渉は弁護士ほど得意ではないことが多いのです。
そのため、以下のようなケースでは司法書士ではなく弁護士に依頼した方が無難でしょう。
- 過払い金の返還を求めたい:
先述の通り過払い金の返還は、個人再生の費用を大きく抑えるチャンスです。しかし、司法書士は過払い金請求を単独で行えません。過払い金の返還を検討している場合は、弁護士への依頼がおすすめです。 - 任意整理との比較検討をしたい:
借金問題の解決には個人再生以外の選択肢もあります。中でも任意整理は、個人再生と並ぶ有力な選択肢の一つです。弁護士であれば、あなたの状況に合わせて任意整理と個人再生のメリット・デメリットを比較検討できます。 - 対立の激しい債権者がいる:
時には、債権者との交渉が難航するケースもあります。対立が激しい債権者への対応は、交渉力のある弁護士に任せた方が安心と言えるでしょう。
このように、ケースによって司法書士か弁護士かの適性が分かれます。
まずは無料相談を利用して、ご自身の状況を専門家に伝えてみることをおすすめします。
そうすることで、司法書士でも対応可能なケースなのか、弁護士への依頼が望ましいのかを判断しやすくなるはずです。
費用の面では司法書士に分がある一方、手続きの安全性や交渉力の面では弁護士に利点があります。
それぞれの専門家の特性を理解した上で、ご自身に合った依頼先を選ぶことが肝心です。
個人再生の専門家を賢く選ぶことができれば、費用面の不安を和らげつつ、円滑に再生手続きを進められるでしょう。
司法書士に依頼する場合の注意点
専門家に依頼する費用については、弁護士よりも司法書士のほうが一般的には安いです。
ただ、個人再生において司法書士は、裁判所に提出する書面の作成の代行ができるのみで、裁判所や個人再生委員の面談に同行できないなど、権限に制限があります。
また、本人による申立てと同視され、選任される個人再生委員の報酬が高くなることがあります。
司法書士に依頼する場合には、これらのデメリットをよく考えて個人再生を依頼するようにしましょう。
法テラスを利用する
法テラスは、着手金・成功報酬などの費用の支払いにも利用が可能です。
一定の収入以下であるような場合には、法テラスで弁護士・司法書士への費用を補助する民事扶助というものが利用可能です。
ただし、住宅ローンで自宅を購入するような収入がある場合、収入要件を満たさない場合もあるので、利用が可能か依頼をする弁護士・司法書士に相談してみましょう。
無料相談の制度を利用する
弁護士・司法書士への相談について、無料相談の制度を利用してみましょう。
居住している自治体で弁護士による無料相談を実施していたり、都道府県の弁護士会・司法書士会が無料相談を実施していることがあります。
また、一定の収入以内であれば、法テラスを利用すれば、無料で弁護士と相談ができます。
さらに、前述した通り、債務整理に取り組んでいる弁護士・司法書士であれば、借金問題については無料で相談を受けているので、積極的に利用してみましょう。
個人再生の費用が支払えない場合はどうすればいい?
個人再生の費用がどうしても支払えない場合の対応方法を検討しましょう。
自己破産手続きを利用する
個人再生の弁護士・司法書士に対する費用の支払いができないケースでは、個人再生を行っても返済をすることができない状況です。
個人再生はあくまで返済をする手続きなので、弁護士・司法書士への費用すら支払えない状況になっている場合には、個人再生の利用がそもそも適切ではないと考えられます。
そのため、自己破産手続きを利用して、債務の免責をしてもらうのが良いでしょう。
所有している不動産は任意売却
不動産を所有している場合、任意売却を行いましょう。任意売却とは、抵当権の実行によって競売されるのではなく、債権者の意向を確認しながら売却する不動産売却をいいます。
不動産を売却しても、抵当権が残っているうちは、その売却代金は住宅ローンの返済にあてられるのですが、競売よりも売却代金が高くなる任意売却で住宅ローン債権者の債権回収に協力することで、引っ越しをするための費用を工面してもらえることがあります。
やむなく住宅を手放さなければならない場合でも、任意売却を検討しましょう。
分割払いの相談を行う
上述したとおり、個人再生は着手金でも25万円~程度の費用がかかるのですが、債務整理に取り組んでいる弁護士・司法書士であれば、費用は分割払いを認めてくれます。
個人再生を依頼した後は債権者に対する支払いもストップするので、今まで返済をしていた金額を弁護士・司法書士に分割で支払うことができます。
債務整理に取り組んでいる弁護士・司法書士は、無理なく費用を支払える仕組みもととのえているので、気軽に相談してみましょう。
個人再生にかかる費用に関する注意点
申立てにかかる費用・個人再生委員への費用は安くできない
まず、申立てにかかる費用・個人再生委員への費用について、安くすることはできません。
これらの費用については決められたものであり、自己破産のように仮支弁の制度はないので、どのような場合にも必ず支払わなければなりません。
そのため、弁護士・司法書士に依頼する費用をどうやって安くするかを検討することになります。
自分で申立てをするとかえって高くなることがある
費用を節約するという観点から、弁護士・司法書士に依頼しないで、自分で申立てを行なうのはどうなのでしょうか?
自分で申立てをする場合、弁護士・司法書士に作成を依頼したわけではないので、申立て内容をしっかり確認する必要があります。
そのため、個人再生委員の選任をしない裁判所でも、本人からの申立ての場合には個人再生委員を選任したり、個人再生委員にしっかり調査を行ってもらうために、報酬が高くなることがあります。
個人再生の申立てにミスがあると、個人再生ができなくなるなど、自分でやることにはリスクもあります。
また、弁護士・司法書士に依頼をすれば、貸金業者からの特則を止めることができるので(貸金業法21条1項9号)、心にゆとりを持って申立てが可能となります。
弁護士・司法書士に依頼をして個人再生を行なうことは、事実上必須であるといえるでしょう。
費用が安すぎる専門家は注意する
費用が安い専門家に依頼することを検討しましょう。弁護士・司法書士の費用は自由化されており、上述で比較したように、弁護士・司法書士によって費用が異なります。
費用の安い弁護士・司法書士を探して、依頼することは検討すべきことの一つです。
ただ、費用が安すぎるような場合、債務整理についての経験がない・乏しい、過去に懲戒処分を受けていて集客ができないので安くしているなど、安くなっている原因に注意が必要です。
個人再生後の支払いはどうなるの?
個人再生手続きが完了すれば、3年から5年の分割払いで借金を返済していくことになります。
月々の返済額は、あなたの収入や生活状況に合わせて無理のない金額に設定されるため、ようやく将来への希望が見えてくるはずです。
ここでは、個人再生後の支払い方法について、制度ごとの違いも交えながら具体的に解説していきます。
債務から解放された後の人生設計を考える際の参考にしてください。
再生計画での分割返済が基本
個人再生手続きが認められると、裁判所に提出した再生計画に基づいて借金を返済していくことになります。
通常、再生計画では以下のようなポイントが定められています。
- 借金の元本を大幅にカット:
個人再生では、借金の元本が免除される割合が多いのが特徴です。一般的には借金の2~3割程度まで減額されるケースが多く、中には2割まで圧縮されることもあります。あなたの支払い能力に見合った無理のない返済プランが立てられるでしょう。 - 分割払いの期間は原則3年:
再生計画の返済期間は原則として3年と定められています。ただし、あなたの収入が低く返済が難しい場合は、最長5年までの返済も認められます。無理のない期間で返済の目途を立てられるのは、個人再生のメリットと言えます。 - 利息の支払い義務がストップ:
個人再生手続きの開始決定が下りた時点で、あなたの借金には利息が発生しなくなります。高い金利に苦しんでいた方にとっては、それだけで返済の負担が大幅に減るでしょう。元本さえ返せばいいというのは、債務者にとって大きな救いになります。 - 住宅ローンは別枠で返済:
個人再生でも、住宅ローンだけは別枠で返済を続ける必要があります。ただし、金利の引き下げや返済期間の延長など、債権者と交渉して返済条件の変更に応じてもらえる可能性はあります。住宅ローンの返済は個人再生とは切り離して考えましょう。
このように、個人再生では再生計画に基づいて借金を分割で返済していくことが基本になります。
払える金額で着実に返済を進められるため、多重債務に苦しむ多くの方にとって現実的な解決策と言えるでしょう。
ただし、あなたの状況によってはもう一歩踏み込んだ債務整理が必要になることもあります。
利用した制度によって支払い方法が異なる
個人再生と一口に言っても、実は複数の類型があることをご存知でしょうか。
個人再生の中でも、あなたの借金の状況に合わせてきめ細かな制度が用意されています。
ここでは、代表的な個人再生の類型とその支払い方法について見ていきます。
- 小規模個人再生:
小規模個人再生は、債権者が1社で借金額が5000万円以下の方が対象です。原則として裁判所に行かずに手続きを完結できるため、費用も通常の個人再生より安く抑えられます。借金の元本が大幅にカットされるだけでなく、分割払いの手数料の一部も免除されるのが特徴です。 - 給与所得者等再生:
サラリーマンやOLなどの給与所得者が利用できる制度です。こちらも小規模個人再生と同様、原則として裁判所に行く必要がありません。あなたの給与を原資とした返済プランを組むため、安定した返済が見込めます。ボーナス払いを組み込むことで、返済期間を短縮できる点も魅力と言えるでしょう。 - 個人事業主再生:
個人事業主の方に特化した個人再生制度です。事業で使っている不動産や機械設備などの資産は、返済原資として利用しながら事業を継続できるのが大きな特徴。事業収入を返済に充てられるため、債務超過に陥った事業主の再起のチャンスになり得ます。
また、最近ではガイドラインといって、個人再生とは別の新しい私的整理の仕組みも注目されています。
これらの制度は金融機関との任意の交渉が中心になるため、弁護士には依頼せずに自力で手続きを進めることも可能です。
ただし、確実に借金を減額するには、裁判所の監督の下で行われる個人再生を利用するのがベターでしょう。
冒頭でお伝えしたように、個人再生には借金の状況に応じたバリエーションが用意されています。
あなたに最適な再生プランを組み立てるためにも、まずは借金の内容を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
そして、経験豊富な弁護士に相談して、どの個人再生の類型を選ぶべきかアドバイスを受けることをおすすめします。
借金の悩みから解放される日は、きっとすぐそこまで来ているはずです。
個人再生が安い!おすすめの弁護士・司法書士5選
個人再生を依頼するにあたっておすすめの弁護士・司法書士をご紹介します。
- 弁護士法人サンク法律事務所
- 弁護士法人ユア・エース
- 弁護士法人 響
- 弁護士法人東京ロータス法律事務所
- 司法書士法人はたの法務事務所
ご紹介している法律事務所は、すべて全国から申し込み可能です
弁護士法人サンク法律事務所
名称 | 弁護士法人サンク法律事務所(旧樋口総合法律事務所) |
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所在地 | 東京都中央区八丁堀4-2-2UUR京橋イーストビル2階 |
電話番号 | 0120-281-739 |
個人再生の費用 | 相談料:0円 着手金:440,000円 住宅資金特別条項がある場合:+110,000円 |
弁護士法人サンク法律事務所は、東京八丁堀に拠点を有する弁護士法人です。女性を含めた8人の弁護士が在籍しています。
債務整理・個人再生の他にも強みがあり、他にも個人に関する案件全般に取り扱っているので、様々な案件に対応可能です。
フリーダイヤルを設けており、相談料も無料なので、気軽に電話してみましょう。
弁護士法人ユア・エース
名称 | 弁護士法人ユア・エース |
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所在地 | 東京本店 東京都中央区日本橋堀留町2-3-14 堀留THビル10階 福岡支店 福岡県福岡市博多区博多駅前1-15-20 NMF博多駅前ビル2階6号室 |
電話番号 | 0120-951-408 |
個人再生の費用 | 法律相談料:0円 着手金:住宅ローン無 264,000円~/住宅ローン有 429,000円~ 成功報酬:330,000円~ |
弁護士法人ユア・エースは、東京・福岡に拠点がある弁護士法人です。元は弁護士法人天音法律事務所という事務所で、債務整理に非常に定評にある事務所です。
16人もの弁護士が所属しており、債務整理のみならず様々な案件に対応しています。フリーダイヤルには24時間365日対応可能となっているので、気軽に電話をしてみてください。
弁護士法人 響
名称 | 弁護士法人 響 |
所在地 | 新宿オフィス 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー14階虎ノ門オフィス 東京都港区虎ノ門3-19-13 スピリットビル4階立川オフィス 東京都立川市曙町2-16-6 テクノビル4階 大阪オフィス 大阪府大阪市中央区淡路町2-4-3 ISOビル6階 福岡オフィス 福岡県福岡市中央区舞鶴3-1-10 オフィスニューガイア セレス赤坂門NO.19 11階 那覇オフィス 沖縄県那覇市久茂地2-22-10 那覇第一生命ビルディング3階 |
電話番号 | 0120-205-376 |
個人再生の費用 | 相談料:0円 着手金:330,000円~ 成功報酬 住宅なし:220,000円~ 住宅あり:330,000円~ |
弁護士法人響は、東京・大阪をはじめとした6ヶ所の拠点を有する弁護士法人です。
合計19名もの弁護士が所属するほか、グループで税理士法人・社会封建労務士法人・行政書士法人・調査会社などを有しており、ありとあらゆるサポートが可能です。
債務整理にも非常に強みを持っており、大きな規模で業務をしているので、実績が多く、メディアへの出演なども多数行っています。
相談無料で弁護士費用の分割も可能なので、気軽に相談してみましょう。
弁護士法人東京ロータス法律事務所
名称 | 弁護士法人東京ロータス法律事務所(旧岡田法律事務所) |
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所在地 | 東京都台東区東上野1丁目13番2号成田第二ビル2階 |
電話番号 | 0120-316-715 |
個人再生の費用 | 相談:無料 着手金:330,000円 報酬金:330,000円 諸費用:55,000円/住宅ローン特則有:110,000円 |
弁護士法人東京ロータス法律事務所は、東京に拠点がある弁護士法人です。弁護士3名が所属しており、ホームページでもわかるように、債務整理に特化しています。
元は岡田法律事務所という事務所が法人になったもので、岡田法律事務所時代から、債務整理の経験は豊富です。
相談は無料で、フリーダイヤルも設けているので、安心して相談してみましょう。
司法書士法人はたの法務事務所
名称 | 司法書士法人はたの法務事務所 |
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所在地 | 東京本店 東京都杉並区荻窪5-16-12 荻窪NKビル5階 大阪支店 大阪府大阪市淀川区西中島4-11-21 新大阪コパービル303 |
電話番号 | 0120-963-164 |
個人再生の費用 | 相談料:無料 報酬385,000円~ |
司法書士法人はたの法務事務所は、東京と大阪に拠点を有する司法書士法人です。認定司法書士が所属していて、債務整理・過払い金請求に強みをもっています。
個人再生について権限が制限されている司法書士なので個人再生の依頼には向かないケースもあります。
しかし、まずは解決方法として個人再生が良いのかを確認してもらうのが良いでしょう。相談は無料なので、気軽に相談してみましょう。
まとめ:借金問題のプロが教える個人再生の費用
今回は、個人再生を検討中の方に向けて、
- 個人再生の手続きにかかる費用の概要
- 弁護士費用を抑える工夫
- 個人再生後の支払い方法
上記について、多重債務者の再生をサポートしてきた司法書士としての知見を交えながらお話してきました。
個人再生の手続きには一定の費用がかかりますが、債務から解放されるためには重要な投資と言えるでしょう。
費用の内訳を事前に把握し、分割払いなどの方法も活用しながら、計画的に準備を進めることが肝心です。
個人再生は、弁護士・司法書士に依頼をする・裁判所に申立てをする、ことが必要で、それぞれに費用がかかります。債務整理に取り組んでいる弁護士・司法書士であれば、無理なく払える仕組みがあるので、費用の点で不安な場合でも、まずは相談してみるようにしましょう。
債務整理は、借金に悩む方にとって人生の再スタートを切るチャンスです。
費用面で不安を感じているあなたも、ぜひ一歩を踏み出してみませんか。
今回の記事を読んで、個人再生について理解を深められたのではないでしょうか。
借金問題で苦しんでいる今のあなたの状況は、けっして恥ずかしいことではありません。
むしろ、問題解決に向けて一歩を踏み出そうとしているあなたは、とても勇気があります。
あなたの新しい人生の一歩を、私は借金問題のプロとして全力で応援させていただきます。